お庭づくりの豆知識や、日々のこと
エゴノキの育て方
日本に広く自生する、白い花が可憐な「森のシャンデリア」と称される落葉小高木
エゴノキ
初夏に咲かせる星形の白い花が魅力のエゴノキは、日本に広く自生し、管理も容易でナチュラルな庭にぴったりの庭木です。
植物名:エゴノキ
学名:Styrax japonica
英名:japanese snowbell
科目:エゴノキ科
属名:エゴノキ属
原産地:日本、中国
花言葉:壮大
特徴
北海道南部から沖縄まで日本全国の雑木林に見られるエゴノキは落葉高木で、若い実が石鹸の代用になるためセッケンノキとして古くから実用されていました。花や樹姿の清涼な雰囲気が評価され、近年は雑木の庭に好んで用いられるようになりました。
日本以外でも中国や朝鮮半島、フィリピンなどの山野で見られます。
新緑が美しい5、6月になると、枝先いっぱいに鈴のような花が咲き芳香があります。その独特の美しさは「森のシャンデリア」と称されます。原種は白花ですが、ピンク花の種類もありお庭のシンボルツリーとして使われます。
秋にできる薄緑色の実は長さ2センチほどの卵型で、10月頃に熟し、中には種子が一粒含まれます。有毒でこの実を噛むと「えごい(えぐい)」味がすることから和名「エゴノキ」と名付けられました。
高さは10mほどに成長します。樹皮は赤褐色できめが細かいです。葉は両端のとがった楕円形です。
古くから親しまれてきた万葉植物の一つでもあります。
環境
暑さ寒さに強く、北海道南部から沖縄までの広い地域で育てられます。日向を好みますが、半日陰でも十分育てることができます。ただし、乾燥は苦手なので、西日の強いところで管理したりすると、葉が乾燥して反り返ったりすることもあります。
植える場所にはあらかじめ腐葉土を入れ、保湿性を高めるのがよいでしょう。
お庭で育てる場合、日光に当てるのと当てないのとでは、花の付き方が変わってくるので、きれいな花を咲かせたい場合は、できるかぎり日光の当たる場所で育てることをおすすめします。
水やり
庭植え、鉢植えともに水切れには注意です。乾燥すると葉が上面側に反り返ってしまいます。
乾燥を苦手としますので、特に水切れの多い夏場は、水をできる限り切らさないように水を与えるようにしましょう。
ただし、日本でもたくさん分布しているように、地植えの場合は、基本的に自然の雨だけ十分に育ちます。
水を切らし気味に育てると、秋前には落葉するなど、成長に大きく影響を及ぼします。
肥料
日本で育つエゴノキは、基本的に肥料を与えずとも元気に育ちます。
生育が悪い場合に、寒肥として緩行性のもの、あるいは油かすなどを与えてあげると上手く育ちます。
また、花が落ちたあとにお礼肥として与えるのも良いです。
お礼肥とは、花により体力を失っている状態なので、肥料を与えることで、その体力を回復させてあげる役割があります。
土
日本中で多く自生しているので、特に土質を選ばず、元気に育てることができます。
強いていうならば、やや湿り気があり、有機質の多く含んでいる土が適しています。
土に、腐葉土などを混ぜた、腐植質の多い通気性と保湿性に優れた土が適しています。
剪定
強い剪定は好みません。適当に剪定することは樹形が乱れたり野趣を損なうので避けます。枝は必ず根元で切るようにして、自然樹形を維持しましょう。自然樹形は株立ち状になることが多く、開花はその年に伸びた枝に咲くため、晩春から初夏の剪定は避けます。