お庭づくりの豆知識や、日々のこと
ツリバナの育て方
春の花と秋の実が可愛らしくシンボルツリーに人気
ツリバナ
春は花、秋は実と紅葉が楽しめ、冬は落葉するツリバナは四季を感じられる落葉低木です。
株立ちで美しい樹形を楽しめ、剪定もあまり必要とせず、病気や虫も少ないので、日本庭園に利用されたり、お庭のシンボルツリーとして人気です。
植物名:ツリバナ
学名:Euonymus oxyphyllus
英名:Spindle tree
科目:ニシキギ科
属名:ニシキギ属
原産地:日本、中国
花言葉:片思い
特徴
ツリバナの属するニシキギ種の植物は美しい樹形をしていることで知られていて、ツリバナも美しい枝の付き方をする植物です。
花の咲く時期は、5月ごろ。白から黄緑色をしたとても可愛らしい花を咲かせます。ちょうど新緑の頃に黄緑色の花を咲かせるため、あまり目立ちません。
実のかたちは吊り下がるタイプ。9~10月ごろになります。最初は仮の種子皮に包まれていますが、その後、パカっと割れて中から赤い実が顔をだすという面白さがあります。
秋になるその真っ赤な綺麗な実は冬も残り、葉は落葉するので実が目立ちます。ツリバナは花よりも実に観賞価値のある植物といえるでしょう。
自然に自生してるものは背丈が大きくなりますが、庭木として成長したとしても3mになるかならないかの扱いやすさです。
シンボルツリーとして人気で、玄関のような半日陰に植えるのが最適です。
環境
日当たりよりも、半日陰を好みます。
ツリバナはどちらかというと乾燥が苦手です。水もちの良い環境を好みます。極端に水はけがよすぎて、すぐに乾燥したり、西日が根元にあたって乾燥するような環境では痛んでしまうことがあります。
もともと谷川の傍に生えて水を求める植物なので、日当たりは避けたほうが無難で最適は半日蔭です。
ただし、日当たりが悪いと花つきが悪くなり、実が減ります。ツリバナのメリットを生かすためにもまったく日陰になる場所は避けましょう。
水やり
庭植えの場合、基本的には自然降雨だけで大丈夫です。基本的に放置でOKです。
ただし真夏は水切れしないように状況を見で水をあげます。ツリバナは庭木としては水を欲しがる種類です。
肥料
もともと日本の山に自生する植物ですので、ほとんど肥料を与えなくても順調に成長します。ただし、観賞をよくするためにもツリバナの花や実のつきをよくするためには、少し肥料をほどこすとよいでしょう。肥料を施す時期は、2月頃です。
寒肥として穏効性の固形肥料を根元に少し与えるとよいでしょう。
土
ツリバナは、ある程度水もちがして、常に湿っていることがない程度の水はけのある土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土やバーミキュライト、川砂を少し混ぜたものを準備するとよいでしょう。市販の山野草植物専用の土を利用しても便利です。市販の土を利用するときも、少し腐葉土やバーミキュライト、川砂を混ぜるとよいでしょう。
剪定
ツリバナは、環境の合ったところだと大きく成長します。邪魔な枝や混みあったところをこまめに剪定して美しい樹形を保ちましょう。剪定に適した時期は、春から秋の気候のよい時期です。ただし、剪定をしすぎると花付きや実付きが悪くなることがありますので注意が必要です。
また冬の間に強い剪定をすると、花芽を落とすことになります。
ツリバナは株立ちで育てるのがおススメ。株立ちとは、一つの株の根元から複数の茎が分かれて出てくる様子を指します。ナチュラルな雰囲気を味わうことができるため、株立ちを楽しめるシンボルツリーは人気があります。株立ちは見た目が美しいだけではなく、シンボルツリーにはもってこいの栽培方法です。というのも、複数の枝に栄養分が分散されるため、成長しすぎず庭木として程よい樹高を保ちやすいからです。
ツリバナは自然のままである程度株立ちの状態に成長します。成長に伴って、枝や混みあったところはこまめに剪定し美しい樹形を保ちましょう。剪定で切り取った枝を挿し木に利用するのもおすすめです。