お庭づくりの豆知識や、日々のこと
オリーブの育て方
銀葉が美しい常緑の人気樹木
オリーブ
オリーブは常緑の高木で平和と幸福のシンボルといわれています。
太陽と温暖な気候、水はけの良い土壌とたっぷりの水が大好きです。
剪定次第では実が付くようになります。
植物名:オリーブ
学名:Olea europaea
英名:Olive
科目:モクセイ科
属名:オリーブ属
原産地:西アジア、北アフリカ、地中海地方
花言葉:平和・知恵
特徴
オリーブは常緑の高木です。太陽と温暖な気候、水はけの良い土壌とたっぷりの水を好みます。
銀葉が美しく洋風の庭に合います。果実は苦くて生食はできませんが、加工して食されます。木は乾燥に強く、また樹勢が強く大木になります。なので整枝や剪定をしないとうまく結実しません。自家不結実性のため、違う品種の混植が必要です。
初夏に白や黄白色の小さな可愛い花をたくさん咲かせます。その後、丸くて可愛らしいグリーンの実をつけ、その実は赤、紫、黒へと成熟します。実はそのまま食べるととても渋いのですが、加工することで美味しいオリーブオイルやピクルスなどになります。
植物としてのオリーブの魅力は何といっても樹形と葉の形です。葉の表面は光沢のある緑色、裏面には白い細毛が密生していて、風が吹くときらきらと銀灰色に輝きます。
「平和の象徴」としてハトが葉を口にくわえているデザインをよく見かけますがそのその葉はオリーブです。「平和のシンボル」とされるのは「旧約聖書」のノアの箱舟のエピソードに由来します。ハトがくわえてきたオリーブの枝を見て、ノアは洪水が引いたことを知ったと記されています。
オリーブは自家不結実性のため、違った品種を2本以上植えた方が実がつく確率が俄然アップします。
環境
日光を好みます。庭植えの植えつけ場所、鉢植えの置き場とも日当たり良好な場所を選びましょう。
気温的にはマイナス2℃~3℃くらいまで大丈夫なのですが、霜や凍結に非常に弱いので北海道・北・甲信越では地植えで栽培することができません。寒い地方で育てる場合は鉢植えにして霜の当たらないように管理します。要は寒くても凍らせなければ大丈夫です。この品種は冬の寒さにさらされて花芽ができるというメカニズムを持ち、平地で鉢植えにしている場合も室内に取り込んだりはせず、外で管理します。
水やり
鉢土の表面が白く乾いたら、鉢底の穴から少し流れ出るくらいたっぷり与えます。庭植えの場合は、苗木や植えつけ直後の木を除けば水やりはほとんど必要ありません。
一年を通してよく日光に当てて育てましょう。日当たりが悪いと枝が細くなって生育も悪くなります。地植えも南向きの場所を選びます。
もともと乾燥気味の土壌を好みますが乾燥気味がよいからといって真夏に油断して完全に乾かしてしまうと今度は生長が止まったり、果実にハリが無くなってシワがよることがあるので注意しましょう。
また、冬にひどく乾燥させると春に不完全花(雌しべがない)が咲くことが多く、実付きが悪くなります。冬も水切れさせないように管理するのがポイントです。
肥料
植え付ける際にあらかじめ油かすを土に混ぜ込んでおきます。
それ以外は庭植えは3月と10月に、鉢植えは3月、6月、10月に有機質肥料か速効性化成肥料を施します。
土
地植えの場合はなるべく水はけの良い場所を選びます。酸性土壌を嫌い、アルカリ性を好みますので植え付ける10日前に石灰を多めに混ぜ込んでおきます。鉢植えにする場合は小粒赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた土に石灰を混ぜ込みます。有機石灰を使用すると待たずにすぐ植え付けができます。
剪定
適期は3月~4月と、9月~10月です。主に整枝が大事です。伸びたら切るの繰り返しをしていると樹勢が落ち着かず、結実しにくいでしょう。広い場所であれば自然形に仕立てます。場所が狭い場合は、主幹形に仕立て、側枝は角度を広くとり、枝垂れるように仕立てます。
古いオリーブの木を若返らせるには強剪定が効果的です。重く茂りすぎた木は、思いきって太い枝の部分で切り戻しして、木のリフレッシュをはかりましょう。太枝を切った場合、切り口から雑菌が侵入するのを防ぐため癒合剤を塗ります。
強剪定の翌年は実がつきませんが、2年目には元気な枝がたくさん出て形も整い、実もぐんとつきやすくなります。
また、オリーブの実がつく、つかないは剪定次第です。
オリーブは、その年の春から初夏に伸びた新梢に、翌年花を咲かせて実をつけます。そのため、剪定の時になるべく新梢を残しつつ、混み合ったところを中心に剪定することが大切です。
光も風も良く通る、小鳥がすり抜けられるくらいの枝ぶりが理想的です。