お庭づくりの豆知識や、日々のこと
スモークツリーの育て方
ボリュームのあるふわふわとした見た目と、シックなカラーで人気の庭木
スモークツリー
花が咲いた後に、綿毛のような穂が木全体を覆うように密生するスモークツリー。
煙が立ちのぼっているように見えることから名付けられました。
植物名:スモークツリー
学名:Cotinus coggygria
和名:ケムリノキ、ハグマノキ
科目:ウルシ科
属名:ハグマノキ属
原産地:ヨーロッパ、ヒマラヤ、中国
花言葉:煙に巻く、賢明、賑やかな家庭、儚い青春
特徴
スモークツリーは暑さ寒さに強く、丈夫で育てやすいため、日本国内でも沖縄から北海道まで広い範囲で育てられています。日当たりと水はけの良い場所を選んで育てましょう。
雌雄異株の落葉樹です。初夏に咲く花木で、ヨーロッパから中国に分布します。雌木の枝先につく花序は長さ約20cmで多数枝分かれし、花後に伸びた花柄が煙のようにみえることから。雄木は花序が短く、煙状にはなりません。横に広い円形の樹形が美しく、秋の紅葉も楽しめます。
シックなカラーが特徴で園芸品種も多数栽培されています。
スモークツリーの花期は6月~7月です。
枝先に円錐状の花序を出し、花径3~5㎜程度の小さな淡い黄色の花をたくさん咲かせます。
雌雄異株なので、雌株の花の中心には雌しべ、雄株の花の中心には5本の雄しべがあります。
雌株の花後に花柄が長く伸びていき、不稔花の花柄には細かい糸状の毛が密生します。
スモークツリーの名前は、この長く伸びた花柄を持つ花序の様子に由来しています。
煙状に見えることから和名では「ケムリノキ」とも呼ばれます。
花後にスモーク状になるのは雌株の方で、雄株では花後に花柄は伸びず、スモーク状にはなりません。
環境
成長が早く、枝が横に張るので、庭植え向きです。ある程度の広さを確保できる場所を選んで植えつけましょう。日当たりと水はけがよ場所を好みます。暑さにも強いので真夏に直射日光が当たるような場所でも大丈夫。耐寒性も非常に強いので特に防寒対策をする必要はありません。植栽適地は北海道南部から沖縄です。
比較的根が浅く張るので、風で折れることがあります。強風が当たらない場所が適しています。
水やり
乾燥した土地を好みますので、鉢植えの場合はあまり水をやりすぎないよう、土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。
庭植えの場合は植え付け直後や真夏に日照りが続くような場合をのぞいて、自然降雨で大丈夫です。
肥料
スモークツリーを植え付ける際には、元肥として堆肥や腐葉土、有機質肥料を土に混ぜ合わせておきましょう。
その後の追肥は基本的には必要ありません。
生育が悪いときや春に新芽をつけやすくしたい場合には緩効性の固形肥料や固形の油かすを用意し、12月から2月の冬の時期に置き肥として与えるといいでしょう。
肥料は与えすぎに注意です。与えただけ大きくなり、扱いづらくなります。
土
過湿に弱いので水はけをできるだけ良くしましょう。
鉢植えの場合、赤玉土5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜた土で植えます。地植えの場合は、腐葉土などの元肥を植え付けの前に混ぜ合わせておきます。
庭植えの場合、粘土質だったり、水が通りにくい場所であった場合は、川砂を混ぜ合わせるなどして、水はけの良い環境をしっかりとつくってあげましょう。
剪定
注意:スモークツリーはウルシ科の植物です。素手で触るとかぶれてしまうことがありますので注意が必要です。剪定をおこなうときは必ず手袋をつけるにしましょう。また、切り口から出る樹液が服につくとなかなか取れません。汚れてもよい服を用意しましょう。
古い枝の更新と樹形を整える目的で剪定を行います。適期は落葉期の冬です。あちこちよく枝を伸ばして雑多に茂るので、作業は毎年行うとよいでしょう。最初に勢いの弱い細い枝や重なり合った枝を切り落とします。これは、風通しと日当たりをよくするために行います。
そのあとに樹型がうまくまとまるように枝を切り詰めていきます。また、古い枝を切って若くて美しい枝葉を出させるようにして、株の若返りを図ります。切る位置に特に決まりはなく、どこで切っても新芽を吹きます。実はこの頃にはすでに春に開花する花芽ができあがっています。樹形を整えたあとは必要以上に刈り込まないようにします。