お庭づくりの豆知識や、日々のこと
ブルーベリーの育て方
初心者の方でも比較的育てやすい人気の小果樹
ブルーベリー
釣鐘型の白い花を咲かせ、甘い実をつけるブルーベリーは庭植え、鉢植えのどちらでも育てられ、実をつけなくても観葉植物として扱えることなど、自分好みの育て方が楽しめる植物として人気の果樹です。
植物名:ブルーベリー
学名:Vaccinium
和名:ヌマスノキ
英名:blueberry
科目:ツツジ科
属名:スノキ属
原産地:北アメリカ
花言葉:知性、実りのある人生
特徴
ブルーベリーは育てやすくて、場所もとらず、手軽に楽しめる小果樹です。生食のほか、ジャムなどに加工したり様々なスイーツにも使えます。
ブルーベリーは品種のタイプによって、ラビットアイ系とハイブッシュ系に大別されます。果実を実らせるためには受粉が必要ですが、ラビットアイ系は、自分自身の花粉では受粉しにくい傾向にあるので、果実を収穫するためには、同じラビットアイ系で違う品種を一緒に育てる必要があります。ハイブッシュ系のブルーベリーは1本でも受粉し、結実する品種もありますが、こちらも同じハイブッシュ系で異なる品種を一緒に育てて受粉させたほうが、実つきがよくなり、果実が大きく育ちます。
ブルーベリーは酸性土壌を好みます。ラビットアイ系は普通の土壌でもある程度育ちますが、ハイブッシュ系は土壌酸度を調整しないと非常に育ちが悪くなります。
ハイブッシュ系は熟期が6月から7月中旬、ラビットアイ系は7月中旬から8月下旬くらいまでなので、長く楽しむには両種を植えるのもおススメです。なお、品質的には、ハイブッシュ系のほうが粒が大きく、果皮も柔らかく優れています。
ラビットアイ系
暖地性で耐寒性が弱く、栽培適地は関東地方以南になります。
果実が熟す前に、白色の飼いウサギの目のような美しいピンク色に色づくためラビットアイと名付けられました。樹勢が強く成長も速いですが、耐寒性はやや低いので、寒冷な気候の地域での栽培には向きません。育てる地域の気候に合わせて品種を選ぶようにしましょう。
ハイブッシュ系
九州から北海道まで栽培可能です。
こちらはさらにノーザンハイブッシュとサザンハイブッシュに分類されます。ノーザンハイブッシュ系は寒さに強い反面、暑さにはやや弱く、冷涼地や高冷地での栽培に適し、サザンハイブッシュ系はやや寒さに弱い傾向にあります。
実ができる前の、3~6月頃になると花が咲いて、2週間程度開花時期が続きます。
スズランの花によく似ており、白や薄ピンク色で釣り鐘型をしているのが特徴です。
環境
日光を好みます。庭植えの植えつけ場所、鉢植えの置き場とも日当たり良好な場所を選びましょう。寒冷地では、鉢植えは冬は鉢を地面に埋め込んで冬越しさせます。
ブルーベリーは、違う品種の雄しべと、雌しべがくっつくことで初めて果実を実らせる植物で、自家不和合性(じかふわごうせい)という性質で、ナシやりんごなどと同じ性質をもっています。同系で違う品種を2本選んで植えましょう。
水やり
ブルーベリーは、乾燥に弱く、たくさん吸水する植物です。鉢土の表面が乾いたら、鉢底の穴から少し流れ出るくらいたっぷり与えます。庭植えの場合は、品種や土質にもよりますが、夏にひどい日照りが続くような場合は毎日の水やりが不可欠になります。それ以外の時期は2週に1回ほどを目安に水やりをしてください。
乾燥に気を配る必要がありますのでコツとしては乾燥した日が続いたなら、水やりの間隔を短くし、雨が降ったなら間隔を長くするといった調節が必要です。
肥料
ブルーベリーの生長に必要な成分は、カリ・リン酸・窒素の3つです。それぞれの成分を多く含んだ緩行性の化成肥料を土の中に混ぜるか、土の上に置きましょう。
時期は、3月に春肥をし、5月、8月下旬に追肥を施します。庭植えの場合、化成肥料を施しますが、化学肥料は最小限度に抑えて、できるだけ堆肥などの有機物を施すほうがよいので家庭で出る草や生ゴミなどを堆肥として有効に利用するとよいですね。鉢植えの場合、春肥には有機固形肥料を、追肥には緩効性化成肥料を施します。
土
ブルーベリーは酸性土壌を好みます。家庭ではピートモスや鹿沼土などの酸性用土を用います。酸度未調整のピートモス5~6、鹿沼土小粒5~4の配合土などがよいでしょう。
もっと手軽に市販のブルーベリー用土を使うのもよいでしょう。
剪定
適期は1月から2月。花芽は前年枝の先端部に着生し、葉芽より大きいのですぐに見分けがつきます。1個の花芽の中に、10個以上の花を含んでいますので、剪定は株が込んできたら、細い短枝が多くついて衰弱している枝を中心に間引いたり、シュートなどの若い枝を少し切り詰めます。細い枝にたくさんの花芽つきすぎてる場合は、良い果実を実らせるためにも少し切り詰めて花芽を減らすのもよいでしょう。
植えてから1~2年目は、花芽がついている先を切って剪定し、木が弱くなるのを防ぎます。3年目以降は、内向き・伸びすぎた枝・根元から出ている枝を中心に切り落としましょう。