お庭づくりの豆知識や、日々のこと
マルベリーの育て方
和名の桑としても知られ、実を食したり葉をお茶にと楽しめる落葉果樹
マルベリー
和名の桑として蚕を育てる時の餌としてもよく知られている落葉樹。実や葉にはビタミンなど身体に良い成分が沢山含まれているため、食用・お茶としても人気。実は生で食べるだけでなく、ジャムやゼリーなどにも加工されます。
植物名:マルベリー
学名:Morus
和名:桑
科目:クワ科
属名:クワ属
原産地:日本、中国
花言葉:彼女の全てが好き、ともに死のう
※白い実:知恵 黒い実:私はあなたを助けません、あなたより生き延びる
※花言葉の、彼女の全てが好き、ともに死のう、という花言葉は、「ロミオとジュリエット」の題材になったギリシャ神話の悲恋「ピュラモスとティスベ」に由来するといわれています。愛する恋人たちが最後に死んでしまう結末を迎えます。
マルベリーは、最初は白くだんだんと赤くなり、熟すと濃い赤黒色へと変化していきます。この果実の色の変化が、若くして亡くなった若者の血に例えられた、なんて話も。
特徴
桑の葉は、蚕の飼料とすることで知られている落葉高木です。桑の仲間は非常に種類が豊富で、果実も3~4㎝の大きなものから、1㎝程度の小粒のものまで多様です。
1本で結実する品種もありますが、雌雄異株のため、別個の品種を2本植えた方が確実に実を収穫することができます。
また、収穫時期は6月ですが、株にたくさん実がつくほど株の栄養は奪われてしまいます。そのため、1ヶ所に実が2つから3つだけつくように摘果をして調節をします。
その果実は食用になり、生食の他にジャムや果実酒にされています。最初は赤く色づき、熟すと黒くなります。食べごろは黒く熟してから。小さな粒を集めたような、キイチゴに似た形状です。
クワの葉のお茶は糖の吸収を抑える効果が期待できるハーブと言われています。
環境
マルベリーを育てるときは、日当たりの良い場所に植え付けるのがおススメです。日陰でもよく育ちますが、花つきが悪くなってしまうので、実の収穫量が減ってしまいます。
木を育てるときは、株が大きく育つため、地植えができる環境を用意します。
暑さ・寒さには強いので日本全国で栽培が可能で、マイナス20度まで耐えます。寒冷地でも収穫ができる果樹です。
水やり
水を好みますので、適度に湿度がなければ枯れてしまいます。庭植えの場合は、土がよほど乾燥していない限りは、自然の雨に任せて育てても大丈夫です。逆に水をあげすぎてしまうと、根腐れを起こす場合があり注意が必要です。
根腐れを防ぐ水やりの方法として、土の表面を触って確認し、乾燥した状態だと土の中に古い空気や水が残った状態になります。このタイミングで上手に水をあげることで、古い空気や水を押し出すことができ、植物に新鮮な空気と水が与えられ、元気に育ちます。
肥料
痩せ地でも育つ植物なので、過肥の必要はありませんが、結実を良くしたい場合は冬と春に有機肥料を施します。
春は3月と6月に速効性の化成肥料を与えます。3月の肥料はクワの開花に備えて、6月の肥料は花が終わったあとの株に栄養分を補給させるためにあげます。
そして、12月には寒肥として緩効性の有機肥料を与えます。この時期は、植物の成長がほとんど無い寒い時期ですが、土の中で肥料が植物に吸収されやすい形に変わり、成長期である春に効果がでます。この冬の時期の寒肥が大切なので必ず施しましょう。
土
基本的には水はけと水もちのバランスが取れた土を好みますが、土壌に適応する力が強く、やせ地でもよく育ちます。
庭植えをする際、土の水はけ具合が悪い場所には、掘った土に腐葉土を3割程度混ぜておくのがよいでしょう。
剪定
収穫してからすぐに、収穫した枝を2芽程残して切り戻しを行います。そうすることで、その芽から新しい枝が伸びます。
7月から花芽の分化が始まるので、それまでに剪定を行いましょう。過ぎてしまった場合は次の冬まで剪定は行いません。
また、生育がとても早いため、多少収穫し切れなかった分があったとしても剪定を優先して行います。そうでないと、枝がぐんぐん成長し手をつけられなくなってしまいます。
本格的な剪定は休眠期の1~2月に行います。マルベリーは昨年伸ばした新しい枝に翌年の花芽を付けますので、古い枝を切り詰めます。生長が早く、大きく成長するのであまり大きくしたくないのであれば、この時期に芯止めと言って、主幹の上部を剪定する方法があります。生長のスピードをゆっくりにする効果があります。この時、必ず枝分かれしている根元で剪定します。枝の途中で切ってしまうと、樹形が乱れる原因となります。見極めが必要になるのでそこはプロにお任せするのもよいでしょう。