お庭づくりの豆知識や、日々のこと
タイムの育て方
独特の芳香で古くから親しまれているハーブ
タイム
独特の気品ある清々しい芳香を持ち、ヨーロッパでは古くから高貴な香りのシンボルともされてきたタイム。防腐作用もあることから広い分野で重宝されてきたハーブです
植物名:タイム
学名:Thymus
和名:タチジャコウソウ、コモンタイム
科目:シソ科
属名:イブキジャコウソウ属
原産地:ヨーロッパ南部
花言葉:勇気、活動力
特徴
タイムは、シソ科のハーブです。種類が多く、立ち上がり上に伸びる立性のものの代表にコモンタイム、這うように生育するほふく性のもの代表にクリーピングタイムがあり、大きく2つに分けられます。
一般的にタイムといわれているのはコモンタイムのことをさします。品種によって異なりますが、春~初夏に小さな花を咲かせます。料理の他にも、花はサシェにも使うことができます。コモンタイムは、殺菌防腐効果が高く、葉をいぶして浄化に、そして紙類の虫食い防止などに使われてきました。さわやかな香りとほろ苦い味は、西洋料理に欠かせないもので、お茶にもなります。小さな堅い葉が密生し、常緑性で花も美しいので、コンテナの寄せ植えや花壇の縁、石組みの間など、香りのあるグラウンドカバープランツとして利用されます。
這うようにして生長する代表的な品種のクリーピングタイムは、丈は10cmくらいにしかなりません。ほふく性のタイムは、花壇の縁取りやグランドカバーにもなります。
また、日本の山野に自生する種類としてはほふく性のイブキジャコウソウがある他、園芸品種も多数育成されています。
環境
丈夫な植物で日陰でも生育に問題はありませんが、日当たりの方が元気に育ちます。
風通しがよく、比較的乾燥した気候を好み、水はけのよいやせ地でもよく育ちます。
夏の高温期の多雨多湿には弱いので、注意が必要です。冬でも外で管理できます。
水やり
多湿にならないよう注意します。鉢植えでは、用土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
庭植えでは、根づいたあとはほとんど必要ありません。
ただ、植え付け直後は根付くまでの1ヶ月はたっぷりと与えるようにしましょう。
肥料
鉢植えの場合、生育促進のため、春と秋の成長期に施します。それぞれの季節に1~2回置き肥をするか、月5~6回液体肥料を施すと、花つきよく、若い新鮮な茎葉も多く収穫できます。
庭植えでは、ほとんど必要ありません。あまり与えすぎると香りが弱くなります。もともとそれほどたくさん肥料を必要としないので、できるだけ控えめにしましょう。
土
水はけのよい用土が適しますが、水分管理でやや乾燥気味にすれば用土はあまり選びません。むしろ長雨にさらされたり、多湿の状態が続いたりするなら、軽石や鹿沼土など山野草向けの用土を混ぜ込むなどするとよいでしょう。
タイムは酸性の土壌が苦手なので、地植えのタイムは苦土石灰をまくなどして土壌の調整をしたほうがよいでしょう。
剪定
タイムは高温多湿が苦手です。日本では雨の多くなる時期、梅雨や秋の長雨などが始まる前に、剪定をして短くしておきましょう。この時期に枝が密に茂っていて風通しが悪いと、株が蒸れて葉が枯れあがってしまうことがあります。冬前にも同様に刈り込みを行うと、春になるときれいに芽が出そろいます。
ハーブとして茎葉の収穫を期待するのであれば、花は咲く前に摘み取ります。花が咲くと香りが弱くなります。