お庭づくりの豆知識や、日々のこと
ネオレゲリアの育て方
不思議な魅力で愛好家が多い植物
ネオレゲリア
パイナップルの仲間であるネオレゲリアは、熱帯性の爬虫類のビバリウム(生き物の住む環境を再現した空間)として人気があります。赤黒い独特の花を咲かせるので不思議な魅力で愛好家が多い植物です。
植物名:ネオレゲリア
学名:Neoregelia
科目:ブロメリア科
属名:ネオレゲリア属
原産地:亜熱帯アメリカ
特徴
ネオレゲリアは熱帯~亜熱帯アメリカに97種分布する着生植物。多くの品種は株がロゼット状で、葉縁にはとげがあります。開花期になると株中央の筒状部とその周辺の葉が赤く色づき、筒状部の中に剣山状の花をつけます。花は葉の中心部に密集して花を咲かせ、筒状部の上までは伸び出しません。
中心部と葉と葉の間に水を溜め、さらに葉が硬いことから硬葉系タンクブロメリアに分類されています。
岩や木、地面などから生えており、着生植物の仲間になります。
日光をよく当てると葉色が鮮やかになりますが、真夏の直射日光などに当てすぎると葉の色が抜けてしまうことがあるため、夏場はよく観察して必要であれば遮光などの処置をするとよいでしょう。
環境
多数あるネオレゲリアの品種でも赤色系のものは、日光によく当てることで、葉色が鮮やかに、より鮮明な色になります。日当たりは年間を通して、日光がよく当たる屋外で育ててください。ですが、真夏の猛暑日などでは、葉焼けをおこして色が抜けたように変色してしまう場合がありますので注意です。また気を付けたいのはコンクリートやビルに囲まれたところでの日光の照り返し。そんな状況下では、通常の倍以上の光量を浴びている可能性があるので注意しましょう。
様子をみて適宜明るい日陰に避難させたりして、日光の量を調節するのがポイントです。
冬場は室内に置き、日当たりのよい窓際で管理することをおすすめします。
また、風通しが悪いと水やり後に蒸れてしまい、腐って枯れてしまいます。
水やり
ネオレゲリアは土壌に直接根を下ろさずに、木の上や岩盤などにくっついて生活する着生植物です。
寄生植物とは違い、ほかの植物から養分を吸っているわけでなく、木や岩の表面にただへばりついています。そのため土から水を吸い上げるといった、根の持つ本来の機能が退化しています。
つまり、ネオレゲリアの根は植物を支えるだけで、おもに水分を吸収するのは葉の部分です。よって、ネオレゲリアへの水やりは葉の部分に与えます。
春から秋頃までは、ロゼット状に広がった葉の筒状の根本に、水が溜まっている状態にします。多くの水やりを必要とはしませんが、常に少量の水が溜まっておく状態を保ちましょう。
冬はネオレゲリアが育生しないので、断水させます。冬に水を与えると、今度は水を吸収しないので、葉っぱに溜まった水が腐ってネオレゲリアが枯れてしまう場合があります。
秋から徐々に水を減らしていき、冬が到来したら、葉の生え際に溜まっている水はティッシュで拭き取って、霧吹きなどの葉水に変えます。葉の表面を湿らす程度の吹付けで大丈夫です。
肥料
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。
土
ネオレゲリアは根が退化してるため、ネオレゲリアは土から栄養を吸収しません。そのため、水ごけ用土や、ヤシ殻用土、バークチップ、軽石などをおすすめします。水はけが良いほど締まった株を作りやすくなります。
増やし方
ネオレゲリアは子株を切り取る「株分け」で増やしていく植物です。
株分けの最適期は、初夏の5月頃から9月上旬の温かい時期。子株の葉が5、6枚ほど開いてきたころに親株から外してあげるとよいでしょう。
根はなくても構いませんが、切り取る際に、、基部の固い部分をつけた状態で、親株から離れたところを切り取るほうが活着しやすくなります。切り離したら、そのあとは水苔の用土で活着させて増やしていきます。
また、下葉から枯れてくる性質なので、枯れてきたら除去しましょう。