お庭づくりの豆知識や、日々のこと
ムクゲの育て方
大きく豪華な花は目を強く引きつけるフォーカルポイントをつくる庭向きの低木
ムクゲ
ムクゲは、別名ハチスとも呼ばれるアオイ科のフヨウ属に分類される落葉性の花木。一般家庭の庭木としてもよく栽培されているほかにも、夏の茶花としても有名です。
植物名:ムクゲ
学名:Hibiscus syriacus
科目:アオイ科
属名:フヨウ属
原産地:中国
花言葉:信念、新しい美
特徴
夏の暑さで人や植物が元気のなくなる季節に、次々と大きな花を咲かせるムクゲは、盛夏を彩る代表的な落葉低木です。中国の原産ですが韓国の国花としても知られています。日本には平安時代以前に渡来し、古くから庭木や生け垣として栽培されてきました。ハイビスカスなどと同じフヨウ属ですが、フヨウ属のなかでは寒さに強いため、日本だけでなく欧米でも夏咲きの花木として親しまれています。世界中の温帯で広く育てられていますが、日本では江戸時代から多くの品種が作られていて、花は五弁の一重、八重、半八重咲きがあり、色はピンク、白、紅紫、水色などがあります。
どこの庭でも植えられているように栽培は容易です。一般に栽培される赤紫色のムクゲ以外にも、さまざまな花形や花色の園芸品種があります。
夏から秋にかけてずっと咲いているような印象がありますが、一輪一輪は一日で散る「一日花」です。次々に開花するため木全体としての花期が長い特性があります。
環境
生育が旺盛です。花を咲かせるためには、日当たりのよい場所に植えつけます。水はけがよければ土壌は特に選びませんが、夏の乾燥を極端に嫌うため、腐植質に富んだ水もちのよい場所が適しています。
すぐに大きくなるので、鉢植えではなく、庭に地植えや生け垣として利用されることをおすすめします。ムクゲは根が深く下に伸び、横方向には広がらないという性質を持つので、狭い庭であっても植えることが可能です。
水やり
ムクゲは庭に地植えをし、根付いたら、あまり水やりを行う必要はありません。夏場の水やりについては、ムクゲは乾燥はとても嫌うので、極端に乾燥している場合のみ、水を十分に与えるようにしましょう。
肥料
ムクゲの肥料は、冬の落葉する時期に与えます。
寒肥として12月から1月に、固形の油かすなどの有機質肥料を施します。
開花する7月から9月にかけて、緩効性化成肥料を基本量の1/3程度に追肥すると花つきが断然によくなります。
土
水はけの良い土壌であれば、基本的に問題なく育つでしょう。ただし、夏場の乾燥はとても嫌う性質があるため、腐植質に富んでいて水持ちも良い場所である方がさらに良い環境であるといえます。
剪定
枝は繊維質でやや剪定しにくいですが春に伸びた枝にその年の花芽をつくるので、落葉期の11月から3月に、樹形を見ながら行います。よく萌芽するので、刈り込むこともできます。枝が伸びたあとでも、5月までに行えば、夏に花を咲かせます。
生育旺盛なので剪定をしないで放置状態のままですと、10m以上にもなるものもあります。