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キンモクセイの育て方
花の香りが秋の訪れを知らせてくれるキンモクセイは丈夫で育てやすく、庭木として人気があります
キンモクセイ
秋を代表する香りのよい花木のキンモクセイ。10月には、あちこちから甘い香りが漂います。香りだけではなく、オレンジ色で集まって咲く小さな花と、濃い緑の葉の対比も鮮やかです。中国では乾燥した花が桂花酒の材料として用いられ、日本では芳香剤として、最も知られる花木の香りの一つです。
植物名:キンモクセイ
学名:Osmanthus fragrans var.aurantiacus
和名:センネンボク(千年木)
科目:モクセイ科
属名: モクセイ属
原産地:中国
花言葉:謙遜、気高い人、真実
特徴
キンモクセイはジンチョウゲ、クチナシと並ぶ「三香木」のひとつで、公園樹や生け垣、記念樹などいろいろなシーンで利用されています。キンモクセイは日本で芳香剤としても親しまれ、強い香りを放つ花が特長です。遠くまで香りが届くことから古くは「千里香」とも呼ばれています。キンモクセイのオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見え、秋の風物詩となっています。
樹高5m以上になる常緑樹です。葉に光沢があり、花はオレンジ色で、強い芳香があります。
鉢植えもしくは地植えで育てますが、地植えの方がおすすめです。挿し木は開花まで5年以上かかるため、早く花を楽しみたい方は苗木から育てるといいでしょう。
キンモクセイは食用にも利用されます。原産地・中国では花を砂糖漬けにしたり、桂花陳酒に加工されます。鹿児島ではキンモクセイの葉をお茶として楽しまれています。
環境
キンモクセイは陽樹、日当たりを好む樹木の中でもさらに日光を好む部類に入るので、日当たりのよい場所で育てるのが第一条件です。日の当たらない時期が長く続くと今年伸びた新しい枝の葉をぽろぽろと落とすことがあります。
また、排気ガスをはじめとした大気汚染が激しい場所だと、花付きが悪くなるといわれています。地植のキンモクセイはある程度の寒さには耐えられますが、北限は南東北エリアぐらいまでとなります。
キンモクセイの花はとても細かく、花が終わった後の花がらの掃除をしやすい場所に植え付けた方が管理が楽になります。
水やり
地植えにしたものは一度根づいてしまえば特に水ををやる必要はありません。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにし、冬は控えめにします。
肥料
キンモクセイの地植えは、リン酸やカリウムの多く含まれた有機肥料や草木灰などを2月頃に与えます。油かすなどチッソ分の多いものを与えすぎると 枝葉は茂りますが、花付きが悪くなるので気を付けましょう。
鉢植えは地植えに比べて肥料を多く必要としますので2月の肥料に加えて4~5月にも開花前にリン酸分の多い化成肥料を施します。 肥料が足りないと花付きに影響します。
土
キンモクセイは、水はけのよい酸性の土を好みます。地植えは、庭土に堆肥や腐葉土、鶏糞、培養土を混ぜておくとよいでしょう。鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3ほどの割合で混ぜた土がおすすめです。市販の「花の培養土」でも栽培可能です。
キンモクセイの土のPHは弱酸性を好むので、アルカリ性の土壌では若干のピートモスを混ぜ込むとよいでしょう。
剪定
剪定は毎年行う方法と、3~4年に1度行う方法があります。
毎年剪定する場合は、作業の適期は新芽が出る前の2~3月、か開花後の10月になります。花の咲き終わった枝を枝分かれしている部分から5~10cmの長さのところで切り詰めましょう。コンパクトに仕立てる場合は円筒状に刈り込むのが一般的。刈り込む場合は一度にばっさりと切らずに毎年少しずつ切り詰めて枝を整えることをおすすめします。強剪定してしまうと枝枯れを起こすことが多いので注意しましょう。ポイントを注意すれば大きくなりすぎることなく管理できて毎年開花が楽しめます。
3~4年に1回剪定する場合は、新芽が出る前の2~3月に行います。長く伸びた枝を3~4年前の枝の位置まで切り詰めます。この方法だとその年花数が少なくなることがありますが、翌年から普通に花を咲かせます。
また、それとは別に間延びして樹形から突き出てしまっている枝や重なり合って風通しが悪くなっている部分の枝があれば花後に間引きします。