お庭づくりの豆知識や、日々のこと
アセビの育て方
日本に古くから親しまれ、万葉集にもその名が登場する、春にスズランのような小花を咲かせる庭木
アセビ
アセビは寒冷地を除く日本全国でみかけることができます。鉢植えや盆栽、生垣などに用いられ、比較的育てやすいので庭木としても人気です。
植物名:アセビ
学名:Pieris japonica
和名:馬酔木
科目:ツツジ科
属名: アセビ属
原産地:日本、中国、台湾
花言葉:清純な心
特徴
アセビは日本各地に自生するツツジ科の常緑低木。庭木としても人気があり、個人の庭から公園、街路樹など広く利用されています。早春になって咲く小さな白い花をスズランのように、房状に咲かせます。白花の他に赤花種もあります。顔を近づけるとほのかに芳香があるのも特徴です。葉は、光沢のある明るいグリーンで手のひらを広げたように放射状に生えます。紅色の新芽、明るいグリーンの葉が美しいアセビは庭木や鉢物として栽培され、園芸品種も数多くあります。
葉や茎には、有毒のアセトポキシンが含まれています。名前の由来は、馬が食べると毒にあたって酔ったようにふらふらとした足取りになることから、漢名で馬酔木(アセビ)と書かれるようになったといわれています。
毒性があるので、口に入れることのないように気を付けてください。
環境
環境に対する適応能力のある樹木で耐陰性もあるので、ある程度の日陰でも成長します。しかし日当たりのよい場所で育てた方が花付きはよいです。ただ、暑さや乾燥が苦手なので西日の当たる場所は避けます。
理想的なのは一日中日の当たる場所よりも、午前中は日が当たり午後からは日陰になるような場所といえます。
水やり
庭植えには特に必要ありませんが、極端に乾燥する夏の高温期には、朝か夕方に水やりをしましょう。
鉢植えの場合は、枝が伸びる春から秋までの間は、十分に水を与えましょう。
肥料
肥料は春と秋の年2回与えます。ゆっくりと効く化成肥料を株元に施すのがよいでしょう。秋に花穂ができるのでそれまでに充分栄養を与えると立派な花穂が育ち、花付きもよくなります。ですから春の生育期は多く与え、秋は控えめにするのがコツです。春7:秋3程度の割合が目安です。
土
水はけの良い適湿な土壌を好みます。庭植えの場合、水はけが悪かったり粘土質の土壌は向きません。鉢植えの場合は、赤玉土の小粒、鹿沼土小粒、腐葉土を等量ずつ混合した配合土などを用います。
剪定
放任していても樹形がよくまとまり、成長スピードも早くないのであまり剪定の必要はありません。
大きく成長させないように剪定する場合の適期は、開花後のなるべく早い時期、4月から5月までです。その際は花がら摘みを兼ねて軽く刈り込み、樹形を整えるようにします。また、枯れ枝や重なり合った枝は、基部から切って風通しよくします。太い切り口には、枯れ込むのを防ぐために癒合剤を塗りましょう。