お庭づくりの豆知識や、日々のこと
ウメの育て方
万葉集にも歌が詠まれ、日本人に古くから親しまれる初春を告げる花木
ウメ
初春を告げる花として日本人に古くから親しまれているウメ。果実を食用にする実梅と、花が大きく美しく観賞に向く花梅があります。
植物名:ウメ
学名:Armeniaca mume(Prunus mume)
和名:梅
科目:バラ科
属名:アンズ属、サクラ属
原産:中国
花言葉:上品、高潔、忍耐、忠実
特徴
ウメは、初春のまだ寒い時期に香りのよい花を咲かせる落葉高木です。
ウメの原産は中国で、朝鮮半島を経由して日本に渡ってきたといわれています。万葉集には100首を超える歌が詠まれていて、奈良時代にはすでに栽培されていた様子がうかがえます。
観賞価値の高い花を咲かせる「花ウメ」と薬や食品加工用に向く良質の実をつける「実ウメ」に分けられます。それぞれ目的の違いにより剪定方法や肥培管理など栽培方法が異なります。
花ウメの魅力は花だけでなく、香りや、幹の形や枝ぶりにあります。寿命の長い樹木なので、年月をかけて樹形をつくるのも楽しみの一つです。また、花ウメ自体にも非常に多くの品種があり、花はふっくらとした八重咲きや濃いピンク、淡いピンク、白の他に複色もあったりと豪華です。
実ウメは果実の収穫を目的とされる品種のことですが、実梅も香りの良い観賞価値のある花を咲かせてくれます。梅は自家受粉しにくいので、確実に果実を収穫するためには2本以上を植えた方がよいと言われています。
環境
日当たりがよい場所を選びます。水はけのよい肥沃な土がおススメです。日陰でも枯れる事はありませんが、花付きが悪くなります。
水やり
植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。それ以降は夏に雨が少ないときなどに土の乾燥がひどくならないうちにたっぷり与えるのがよいでしょう。
肥料
庭植えは、花が終わった後、4月頃のお礼肥と12月~1月に寒肥として有機質肥料を株元の周辺に埋めておきます。
土
水はけがよく、有機質の多い肥沃な土でよく生育します。基本的な配合土は、赤玉土(中粒)2に、完熟腐葉土または樹皮堆肥1の割合で混ぜたものなどがよいでしょう。
庭植えの場合は、土を掘り上げたらたっぷりと堆肥を混ぜ込んでおきましょう。
鉢植えの場合は、赤玉土、腐葉土、川砂を配合します。
剪定
庭植えの場合の剪定は、6月から7月に徒長枝を切り戻し、混み合った不要な枝を間引きます。7月から8月は花芽ができる時期です。この時期にしっかりと成長し伸びの止まった枝の枝先から枝元付近まで多くの葉のつけ根の芽が花芽になりますため、枝先を多少切り戻しても、枝に残った花芽が開花します。また開花時に整った樹形を保つためには、11月から開花までの落葉期に樹形を乱す枝の切り戻しを行うとよいです。なお、太い枝を切って新たな枝を芽吹かせる仕立て直しをする時期は、2月下旬から3月中旬が適期です。
鉢植えの場合の剪定は、まず咲き終わった花柄を摘み取っておき、樹形を小さいまま維持する場合は、開花枝のつけ根から2~3芽を残すように枝を切り戻します。このときに芽吹くための葉芽がついていることを確認しましょう。残した芽がどの向きに伸びるかも考慮することで理想の形に近づきます。株全体を大きくしたい場合は花後の剪定は必要ありません。