お庭づくりの豆知識や、日々のこと
バンクシアの育て方
まるでブラシのような花が咲くオーストラリア原産のネイティブフラワー
バンクシア
今流行りのオージープランツ『バンクシア』はまるでブラシのような花が咲くオーストラリア原産の常緑中高木で、熱い地域に咲く独特な姿のネイティブフラワーです。
かつてはマニアの育てる植物でしたが、今では、ホームセンターなど一般の園芸店でも、花つきのバンクシアが売られているのを見かけるようになりました。
植物名:バンクシア
学名:Banksia
英名:Banksia
科目:ヤマモガシ科
属名:バンクシア属
原産地:オーストラリア
花言葉:勇気ある恋、心に鎧を着る、心地よい孤独
特徴
バンクシアはオーストラリア固有のネイティブプランツ。常緑中高木でブラシの様に咲く個性的な花は切り花としても人気です。オーストラリアではよく庭木に使われるポピュラーな植物です。
開花時期は夏から冬にかけて。種類が豊富で品種によって花の色や形、葉の形状や色などでも品種によって違います。
寒さや湿気などに気をつければ基本的には育てやすいといえます。鉢植えやコンテナ栽培、または暖かい地方では庭植えでの栽培も可能です。品種によって花の開花時期が違います。株がある程度の大きさに生長しないと花芽はつけない傾向にあります。
バンクシアの花はとても個性的です。種類によって長かったり短かったりと多少の形の違いはありますが、まるでロールブラシやトウモロコシの芯などと表現されるようなユニークな形をしています。この円筒状の花序の花は「スパイク」と呼ばれ、つぼみができてから咲くまでに数ヶ月かかるので、このユニークな形を長く楽しむことができます。
日本では鉢苗を見かけることはほとんどなかったバンクシアですが、ここ数年のオージープランツの流行により、園芸店でも鉢植えのバンクシアが取り扱われ、春ごろ流通しているのをよく見かけるようになりました。
環境
バンクシアはオーストラリア産なので、暑さには大変強い植物です。日当たりと風通しが良い場所で、耐寒もマイナス3℃から4℃くらい下がっても十分に栽培可能です。
ただ、風に弱いので、強い風が当たる場所は避けましょう。支柱を立てることで倒れにくくなります。
水やり
バンクシアは乾燥を好むので、土の表面が十分に乾いてから水やりを行います。湿りすぎると根ぐされを起こしやすいので気をつけましょう。
庭植えの場合は降雨があれば必要ありません。夏場はしっかり与えましょう。
鉢植えの場合は、しっかり乾いてから与えるようにします。夏場は毎日与えるようにしましょう。
肥料
肥料は一般的な植物よりも少なめで大丈夫です。ほとんど与える事がなくても十分に育ちます。
もし与える場合でも、バンクシアはリン酸の吸収能力が非常に高い「プロテオイド根」を持つため、リン酸を与えすぎると枯れてしまう可能性がありますのでなるべく与えないように注意しましょう。
土
元々痩せた土地に自生する植物で、水はけが良く、通気性に優れるようにします。砂質の土壌や、岩の多い土壌でもよく育つのが特徴です。肥沃な用土は向きません。肥沃な土に含まれるリン酸によって枯れてしまう場合があります。
よって栄養豊富な市販の草花用培養土よりも配合土をおすすめします。赤玉土、鹿沼土、腐葉土、軽石などを混ぜたもので、水はけがよく、通気性によい土を作りましょう。
増やし方
バンクシアは株元にコブのようなものが発生することがあります。これは病気ではなくて「リグノチューバ」と呼ばれるもので、森林火災などで花が枯れてしまった際などに再生できるように栄養を蓄えている部分です。この部分が土などで覆われているとうまく生育しないことがありますので、時々チェックしましょう。
挿し木と種まきで増やすことができます。
挿し木の場合、新芽が付いた枝先を切り取り、下半分の葉を取り除いてから水揚げをします。その後、水はけの良い用土に刺し、根がつくまで水を与えながら管理します。
種まきの場合はオーブンなどで熱を用います。これは、バンクシアはオーストラリアの森林火災による刺激を受けると、固い殻がはじけて実の中の種が飛び出す習性のためです。非常に硬い実に包まれた種子を取り出すために、これと同じ条件が必要なため、オーブンを使用します。高温で10分ほど焼くと、冷えた頃に口が開いて種が出てきます。ただし加熱時に種子が死んでしまうこともあるため、注意しながら行いましょう。