お庭づくりの豆知識や、日々のこと
コウモリランの育て方
壁にかけたり、天井から吊るしたり、個性的なインテリアを楽しめる観葉植物
コウモリラン
コウモリランは、個性的なインテリアとしておしゃれな飾り方が楽しめる観葉植物です。
着生植物なので、他の植物とは一味違った育て方を楽しめます。
植物名:コウモリラン
学名:Platycerium bifurcatum
英名:common staghorn fern
別名:ビカクシダ
科目:ウラボシ科
属名:ビカクシダ属
原産地:インドネシア、オーストラリア
花言葉:信頼、助け合う、魔法
特徴
インドネシアやオーストラリアが原産国で、種子をつけないシダ植物の仲間です。葉っぱがコウモリの羽のように見えることが名前の由来となっています。プラティセリウム・ビフルカツムという小型な品種が観葉植物としてよく知られています。
自然界で樹木や石に絡みついて生息する着生植物で、観葉植物としては木板に着生させてそれを壁にかけたりなどコウモリラン独特の飾り方が楽しめます。
コウモリランの葉の付け根には、外套葉(がいとうよう)という茶色い葉がついています。外套葉は、生長とともに青い葉から徐々に茶色へと変わり、通常の葉っぱのように落葉することはありません。また、コウモリランの根っこは、この外套葉から下へ出てきます。
外套葉は、水を溜めたり、虫の死骸や落ち葉を吸収してたりして栄養分に変える力があります。品種によっては受け皿のように広がるなど、形は様々です。
貯水葉は水を蓄えておくことだけでなく、木などに絡みつく役割もあります。また、品種によってはこの貯水葉の凹凸が非常に美しく、観賞ポイントになります。
ハンギングバスケットやヘゴ板付けに仕立ててお部屋に飾るとインテリアとしても楽しめます。
環境
コウモリランが自生しているのは熱帯地域のため、日光を好み、日陰などの日が当たらない場所で管理すると、葉っぱの色が黄色く変色してしまうことがあります。
夏は日射しが強いので、コウモリランに直射日光があたらないように注意しましょう。それ以外の季節では、日の当たる日向に置いて管理しても大丈夫です。
室内で育てる場合の置き場所は窓際にして、カーテンで日光の調節ができるようにします。冬になると窓際は気温がさがってくるので、冬だけは窓際から離れた場所で育てるのがよいでしょう。
10度以上の場所で育てるのがポイントで、基本的には室内でも屋外でも育てることができます。気温が5度以上であれば、冬を越すこともできます。
また、室内の場合でもエアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所にしましょう。
水やり
コウモリランは高温多湿の環境を好む植物です。春から秋は、水苔やチップが乾いてカラカラになる前に水やりをします。霧吹きを使って、葉っぱと植え込みの両方に水をあげましょう。秋から冬は、頻度を少なくして、乾かし気味に育てると寒さに耐えられるようになります。
鉢植えでコウモリランを育てているときは、鉢を深めの受け皿にいれて、その受け皿に水を溜め、鉢の下側から水を吸わせるようにしてあげてください。数分で水を吸い上げるので残ってしまった水はすぐに捨てましょう。
ほかにも、インテリアにするために、木の板に着生されているコウモリランは、その板ごと水を張った洗面器に浸けておきます。その後10分ほどで水が染み込みます。
肥料
コウモリランの生育期である春から秋にかけての時期は、2〜3ヶ月に1度、緩効性化成肥料を与えます。これにより、コウモリランの葉っぱの付け根の部分にある外套葉(茶色の葉っぱの下の水苔)にゆっくりと効いてきます。
土
鉢植えの場合は、ピートモス8:パーライト1:軽石(小粒)1の割合の配合土がよいでしょう。ヘゴ板やハンギングの場合、水苔を使って着生させます。
植付け・増やし方
植え付け
コウモリランの植え付けに適している時期は、5月の中旬から9月の中旬です。
鉢植えに植えつけの場合は、苗の根の部分についている土をもんで取り除き、水苔で苔玉を作ったものにまとめます。根の部分を苔玉で覆い、さらに水苔で周りを覆っていきます。
鉢の底に軽石や発泡スチロールを敷いて、苗を植えていきます。鉢ごと水の中に沈めてから、水苔に水を吸わせ、水を完全に吸ったら半日陰の場所に置いて管理してください。
ヘゴ板に着生させる場合は、ヘゴ板にワイヤーを通すための穴を数か所空けておきます。水苔玉と根っこがへばりついている苗をヘゴ板に乗せてから、ワイヤーかシュロ縄を使ってコウモリランを固定させます。
鉢植え同様に、ヘゴ板ごと水の中に沈めてから水を吸わせてから、半日陰の場所に置いておきます。
増やし方
大きくなってしまった親株のコウモリランは株分けして増やすことができます。まず、外套葉の下の部分からでてきている子株を切り取ります。子株には胞子葉が3枚ほどついている状態で切り取るのがポイントです。
切り取った子株をヘゴ板や鉢に植えつけて、1ヶ月ほど明るい日陰に置いて管理しておきます。
その他、胞子で増やす方法もあります。葉っぱの裏についている胞子をスプーンで削り取り、湿った土を敷いている深い受け皿の中に胞子を蒔く方法です。この場合、常に土を湿らせておく必要があるので、ラップなどで蓋をしておきます。常に20度くらいの気温で、明るい日陰で管理してください。表面の土が乾いてきたら霧吹きで湿らせてあげましょう。コウモリランの芽が出てきたら、インテリアとして使用することができるようになります。