お庭づくりの豆知識や、日々のこと
プロテアの育て方
ネイティブフラワーの王様といわれるプロテア。栽培は上級者向け。
プロテア
切り花やドライフラワーでも出回ることが多い大きなエキゾチックな花ですが、約1億年前から存在しているといわれているネイティブフラワーの一種です。大きな花姿と、切り花にしても長持ちし、枯れても形が崩れずドライフラワーとして楽しめることが人気理由の一つです。
植物名:プロテア
学名:Protea
科目:ヤマモガシ科
属名:プロテア属
原産地:南アフリカ
花言葉:自由自在、華やかな期待、王者の風格
特徴
プロテアはアフリカの植物。アフリカというと熱帯のイメージがありますが、プロテアが育っている場所は南アフリカのケープタウンあたり。ケープタウンは降水量は少ないものの、気温は日本とあまり変わりません。
エキゾチックで華やかな花姿の品種が多いプロテアですが、最も有名なのはキングプロテアです。キングプロテアはその名の通り、存在感のある大きな花を咲かせます。また、南アフリカ共和国の国花にも指定されています。
花はキク科と同様に頭状花序(花が集まって形成される)で、花びらに見える部分は全てそれぞれが花となります。外側の花びらが硬く、鱗状で花びらにシダ植物の根のように毛が生えている花姿は、一般的な「花」のイメージとは一線を画し、インパクトのある造形をしています。
有名な品種は「キングプロテア」「アイスクイーン」「ヴィーナス」「ピンクアイス」など。白・ピンク・濃いピンクなどの花色が多いです。
環境
プロテアは暑さにも寒さにも強いですが、基本的に暖かいところを好みます。なので、プロテアは日当たりが良い場所で、適度に風通しをよくして育てるのがよいでしょう。寒風が強くあたると、葉が枯れてしまうことがあります。
プロテアは乾燥に強いのですが、根が浅く、意外と水切れになるという一面があります。かといって水を普通の園芸植物のようにやると立ち枯れてしまうので管理に注意が必要です。上級者向けの植物といえます。
また耐寒性があるので、暖地では‐2℃までなら越冬が可能です。
水やり
プロテアは乾燥がちな環境を好むので、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。しかし常に湿っている状態に置くと、根腐れしてしまうので気を付けましょう。真夏は特に過湿になると枯れやすくなるので乾燥気味に管理します。
冬もまた、水やりは控えます。しかし乾燥気味といっても、乾きすぎても枯れることがあるので水切れに気を付けましょう。
乾燥気味に水切れを起こさないようにする、という管理がプロテアの大切なポイントです。
肥料
プロテアは根に細菌(プロテオイド)を飼っていて、それが肥料分を生成するので、肥料がほとんどないやせ地で生育し、肥沃な土地では枯れてしまうので、肥料は与えなくても大丈夫。
もし肥料を与える場合は即効性の高い液体肥料はさけて、緩効性化成肥料を与えるようにしましょう。プロテアは、窒素分の多い肥料を好みます。
土
プロテアを育てるときは、酸性寄りの土を用います。地植えの場合は、日本であれば庭土をそのまま使って大丈夫。
鉢植えにする場合は、ブルーベリーやつつじ、シャクナゲなどの培養土を使います。
鹿沼土小粒と腐葉土・ピートモスなどをブレンドした土もおすすめです。
ただし、プロテアの中にはアルカリ性寄りの土壌を好む品種「ジェスター」などもあるので、植える前に確認しておきましょう。
剪定
プロテアは大きな花を咲かせますが、なるべくコンパクトに育てたい場合は適宜剪定して整えます。
剪定には花数を増やしたり、樹形を保ったりする役割があります。まだ枯れていない部分にハサミを入れるのはもったいなくて躊躇するかもしれませんが、大きくなりすぎてしまうのを防ぐためにも効果的なのでぜひ挑戦しましょう。
基本的な剪定は花が咲き終わったときに行います。花のすぐ下ではなく、伸びた枝の部分から切り落とします。そこから新芽が伸びてきます。また、剪定した花は花持ちがよいので切り花やドライフラワーなどの装飾に利用できます。