お庭づくりの豆知識や、日々のこと
コバウチワカエデの育て方
美しい紅葉を見せるモミジの仲間として和風、洋風のどちらにも似合う
コハウチワカエデ
天狗の団扇に似た形の葉を持ち、紅葉がきれいな落葉高木です。ハウチワカエデよりも一回り葉が小さいものがコハウチワカエデと呼ばれます。洋風や雑木風のお庭にもよく似合い、シンボルツリーにもおすすめです。
植物名:コハウチワカエデ
学名:Acer sieboldianum
和名:小羽団扇楓
別名:イタヤメイゲツ
科目:ムクロジ科
属名:カエデ属
原産地:日本
特徴
同種のハウチワカエデは葉が直径10センチ以上になるが、コハウチワカエデは5~8センチ程度と小さく、分別されます。
全国各地に分布するコハウチワカエデは、カエデの種類の中では成長が比較的緩やかで、庭や玄関先にシンボルツリーとして植栽されることも多い人気の庭木です。ですが、根付くまではこまめな世話を必要とします。本来の自生地が山の高木の枝下の日陰~半日蔭なので、直射日光や強風は苦手です。山の高木の枝下とは、落ち葉を大量に含んだ土で、かつ斜面で水はけの良さもある環境のため、庭木の植栽の場合でも場所、土選びが重要になってきます。
でも根ついてしまえば、初夏には新緑、晩夏は濃緑、晩秋は紅葉と、季節ごとに美しい景観の変化を楽しめます。
また、カエデのなかでもコンパクトな大きさの品種に分類されるので、手入れがしやすいメリットがあります。
5~6月にクリーム色の花を咲かせます。ハウチワカエデは赤い花を咲かせるので大きく異なります。雌雄同株で花には雄花と両性花があり、15~20輪ほどの五弁花がまとまってぶら下がるように咲きます。また、花の後にできる実は長さ1.5~2センチほど、他のカエデ類と同様、プロペラ状になります。
環境
一般的なイロハモミジに比べると枝葉が少なめで、コンパクトなので管理の手間がかかりません。ですが、自生地は湿気が多く、水はけの良い場所ということもあり、乾燥の激しい場所での維持は難しくなります。腐葉土を施すなどして保湿性を確保しましょう。
ただし、秋にきれいな紅葉を見るためには、西日は避けますが、できるだけ日当たりのよい場所で育てることが大切です。
水やり
夏以外は自然降雨で基本的には大丈夫です。ただし極端な乾燥に弱いので、夏は水やりが必要です。
水やりは根元だけだと、葉っぱが縮れることがありますので、シャワーにして木全体に掛けてやることで乾燥を防ぎます。
肥料
開花前の春先に化成肥料を根元に施すまたは、株の周囲に穴を掘ってそこに堆肥や腐葉土を混ぜ込んでやりましょう。
肥料をやっておくと秋の紅葉が見事になります。
土
自生地の山間部の土壌に近づけてあげるとよく育ちます。水はけのよい場所を選び、堆肥などの肥料や腐葉土を一緒に合わせておきましょう。
剪定
基本的にコハウチワカエデは自然にコンパクトにバランスが取れるため、ほとんど剪定をする必要がないといわれます。
ただし手入れで剪定の必要がある場合には、適した時期は、葉が全部落ち、新しい枝が成育し始める前の11月~12月ごろ。冬場は、おもに樹木を整えるための剪定が好ましいでしょう。不要な枝を切ったり、枝数を少なくするなどの手入れが有効になります。