お庭づくりの豆知識や、日々のこと
ヤブランの育て方
山野草のイメージですが、和洋風どちらの庭にも似合うグランドカバーの定番
ヤブラン
こんもりと茂る草姿と秋に稲穂に似た紫色の花を咲かせる様子が美しく、丈夫で日陰でも育てやすいので、グランドカバーとして、和風、洋風どちらの庭にもピッタリくる、ガーデニング定番の植物です。
植物名:ヤブラン
学名:Liriope muscari
和名:藪蘭
英名:Summer muscari
科目:ユリ科
属名:ヤブラン属
原産地:日本、東アジア
花言葉:謙虚、忍耐、隠された心
特徴
ヤブランは、シュッとした葉姿で30mから50cmの長さで、まっすぐ伸びます。1年を通じて常緑なのでお庭のグラウンドカバーの定番植物です。最近では品種改良で斑入りやクリーム色などの園芸品種も多く出回っています。「リリオペ」という学名で呼ばれることもあります。
非常に乾燥に強く、日陰にも強いので、どんな場所でもよく育ちます。古くから日本の庭園によく使用されているので和風の庭のイメージが強い植物ですが、洋風の庭にもよく似合います。耐陰性があり、重宝します。秋に薄紫色の花を咲かせます。花の後に付ける深い藍色の実も美しく魅力のひとつです。
環境
ヤブランは明るい日陰でよく育ちますが、あまり場所を選びません。真夏の直射日光が強すぎる場所さえさければ、暑さに強い性質なのでそのまま放っておいても十分育ちます。
また、日陰にもよく耐え、壁などで陰になっているような場所や日の差し込みにくい場所でも育てることができます。しかし、花付きは悪くなるので、花を観賞するには、明るい日陰がよいでしょう。
耐寒性も強いので、関東以西の暖地では防寒対策は必要なく育ちます。
水やり
基本的に乾燥によく耐えます。地植えで根ついてしまえば、自然降雨だけで育ちます。鉢植えの場合は、乾いたら鉢底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと水やりしましょう。
肥料
地植えの場合、植え付け前に土に腐葉土などの堆肥をしっかり混ぜ込んでおけば、その後の追肥は必要ありません。鉢植えの場合は緩効性化成肥料を混ぜ込んでおくか、油粕を施しましょう。こちらも追肥は必要ありません。
土
基本的に土は選びませんが、ヤブランは有機質で肥えた用土のほうがよく育ちます。配合土は腐葉土を多めにしましょう。市販の培養土でも大丈夫です。
剪定・手入れ
ヤブランは春になると新芽をいっせいに出します。それまでの葉は傷んで変色しているものが多いので、新芽が出る前の春先に株元からばっさりと切って刈り取りましょう。
また、ヤブランは地植えでも数年に一度の頻度で植え替えをすると株がよりよく生長します。
増やしたい場合は株分けをします。タイミングは春と秋で、芽が4~5個のかたまりで分けていきます。1株を多めにとるのがポイントになります。