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お庭の雑草対策に注目の「クラピア」でグランドカバー 特長とメリット・デメリットを解説します♪
こんにちは!
GOOD2 GARDENです。
今回は、近年グランドカバーとして注目の「クラピア」について、人気のヒミツやメリット・デメリットをばっちり解説していきます!
気にはなっていたけどよくわからないという方や、今回初めて聞いたという方まで、今話題のグランドカバー「クラピア」を詳しくご紹介します。
それでは行ってみましょう♪
- クラピアってどんな植物?
- クラピアの用途と種類
- クラピアのメリット
- デメリットと対処法
- まとめ
1. クラピアってどんな植物?
クラピアはもともと日本の在来種であるイワダレソウを改良して新しく品種登録された緑化植物(グランドカバー植物)で、宇都宮大学の故・倉持仁志先生が10年かけて生み出しました。名前の「クラ」は倉持先生の一字から、「ピア」はイワダレソウの別名「リピア」からとられたものです。
クラピアは、地面を這うように広がる性質と、早い成長速度、そして背が高くならない特性から高い雑草抑制効果をもっていて、芝生に替わる緑化植物として、様々な緑化場面への活用が期待されている今注目のグランドカバー植物です。
※グランドカバーとは?
グランドカバーとは、地面(ground)を植物で覆う(cover)こと。主な目的に雑草を抑えることの他に美観の向上、土壌の流出防止などの効果もあります。グランドカバーに使われる植物は「グランドカバー植物」や「地被植物」、「下草」などと呼ばれます。芝生の管理にはこまやかな手入れが必要ですが、それらが難しい場所やガーデニング初心者にもグランドカバー植物はぴったりで、芝生の代用品として使われています。
クラピアの用途と種類
用途
クラピアは近年、グランドカバーの中でも芝生より早く育ち、管理が楽という点で、雑草対策のグランドカバー植物として人気を集めています。公共事業から、個人のお庭まで幅広く活用用途がひろがります。
どんな種類があるの?
- クラピア K7 © Green Produce All Rights Reserved.
在来種イワダレソウの改良品種のクラピアS1から選抜した品種。公共工事に使用されます。不稔性の為種子をつけません。
花:白、5~9月に少なめに開花 葉色:濃い緑 匍匐性で生育旺盛
- クラピア K5 © Green Produce All Rights Reserved.
在来種イワダレソウ改良品種とヒメイワダレソウの交雑種です。K7よりは花数が多く、民間工事や一般の庭への植栽向け品種です。不稔性のため種子を付けません。
花:薄ピンク、5~9月にK7より比較的多く開花 葉色:淡い緑 匍匐性で生育旺盛
- クラピア K3 © Green Produce All Rights Reserved.
在来種イワダレソウを両親にもつ品種からの選抜種。丸い葉ときれいなピンク色の花が特徴の新品種です。不稔性の為種子をつけません。S2に代わる新たなピンク系品種。草丈が高めで丸く大きめの葉を付け、厚い層を形成するので、防草に適しています。
花:ピンク、5~9月にK7より比較的多く開花 葉色:淡い緑 匍匐性。K7、K5に比較すると広がるスピードは遅め。
※これまでの品種に加え、2021年4月にピンク系のK3が発売されました。
クラピアのメリット
雑草を減らし、管理がしやすい
クラピアは葡萄茎で地面を横に、かつ緻密広がる性質をもちます。なので飛来してくる雑草の種が発芽しにくくなり、それが防草効果をもたらします。芝生よりも少ない刈り込みで維持ができ、覆われたあとは、定期的な水やりの必要もありません。ですので他の地被植物に比べて維持管理コストも減らせるのが特徴です。
成長が早く、土壌の流出防止効果もある
© Green Produce All Rights Reserved.
クラピアの大きな特長の一つは、芝の約10 倍の速さで広がる生長スピード。
また、写真のようにクラピアの根は土壌深く張り、根量が多いことも特長です 。これにより土壌をしっかりと抑え、土留めの効果をもたらします。また、根が深いことは、乾燥に強いということにもなるので基本的に水やりも不要になります。
多年生植物で踏まれても丈夫に育つ
クラピアは多年草です。
日平均気温10°C以下になると休眠して、翌春に芽吹いてグリーンが広がります。
クラピアは多年草なので一度植えると毎年被覆し、開花も楽しめます。常緑ではありませんので、休眠時期は褐色になります。
野芝と比較すると休眠に入る時期は遅く、緑の期間が長く楽しめます。
また、クラピアは、草の上を踏んでも問題なく大丈夫です。むしろ踏まれる事で葉が小さくなり、より緻密なマット状に繁殖して花数も少なくなるという特長があります。万が一、擦り切れてしまっても短期間で再生します。
環境に配慮した「在来種」であること
- 大事なポイントとして、
クラピアは沖縄に自生しているイワダレソウから品種改良された品種ですべての品種において農水省に品種登録されていて、「生態系被害防止外来種リスト」からは除外されています。生態系に影響なく、安心して使用できます。
また、クラピアは品種改良の過程で種をつけないよう改良されています。そのため、種で思わぬところにはびこる心配がなく、勝手に広がることがありません。なんて優秀なグランドカバーなんでしょうかww
!類似品にご注意!
クラピアと見た目がそっくりな植物で「ヒメイワダレソウ(別名リッピア)」がありますが、こちらは実は全然違う植物。
国内の生態系に被害を及ぼす恐れのある外来種(重点対策外来種)に指定されています。間違わないように注意しましょう。
防草シートとの併用可能
クラピアは、防草シートと組み合わせて植栽できる数少ない緑化植物として様々な工事で導入されています。
防草シートを単独で使う場合より、クラピアと専用防草シートを併用したほうが紫外線でのシート劣化を防ぎ、シートの耐用年数を伸ばすことが可能です。クラピアを併用したほうが長期でのコスト削減ができ、同時に美観の向上にも役立ちます。
デメリットと対処法
ここまで紹介してきたクラピアですが、これだけ優秀でもデメリットもあります。デメリットもしっかり把握しておくことが大切です。
冬には枯れてしまう
クラピアは多年草ですが、常緑ではありません。なので年中緑でいることはなく、冬の時期は枯れて茶色になります。特に対処法はありませんが、景観的に好ましくないと感じられるかもしれません。
病気にかかる場合も
他の植物と同様に病気にかかることがあります。特に水はけが悪い環境だと蒸れて病気になりやすくなります。
もし、病気になった場合は、広がる前にその部分を刈り取る対処法をとります。
日陰だと育たない
万能なクラピアですが、生育するのに向かない環境もあります。
日当たりを好んでよく育ちますが、逆に日陰では生育が悪く、グランドカバーとしては期待できない場合もあります。
また、最初から雑草が生い茂っている場所では葡萄茎で地面を横に広がることができずに育ちません。クラピアを植える場合は、しっかりと雑草を除去してから植えるようにしましょう。
まとめ
在来種から10年以上かけて開発された話題の「クラピア」。今、安全で安心して使える優秀なグランドカバーとして注目されています。
クラピアは春から夏にかけて1cmくらいの可愛らしい花を咲かせます。開花期間も5月~8月と比較的長く、一面のお花畑のような風景を楽しめるのも大きな魅力です。刈込みの頻度を増やせば、葉が小さくなるので草丈も低くより緻密なグリーンカーペットが仕上がりますので、お手入れによってお好みの美しい景観を楽しめる植物でもあります。
いかがでしょうか。
以上、今話題のクラピアの魅力とメリット・デメリットをご紹介させていただきました。
GOOD2 GARDENは神戸を中心に関西周辺のお庭のご相談を承っています。
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