お庭づくりの豆知識や、日々のこと
飼い主さん必見!ペットが食べたら危険な植物のおハナシ。
こんにちは!
GOOD2 GARDENです。
今回は、飼い主さん必見!ぜひ知っておいていただきたい、ペットが食べたら実は危険な植物について、のお話です。
お客様からいただく、お庭づくりについてのお問合せの際に、「お庭で愛犬を遊ばせたい」というご相談をたくさんいただきます。
そこで、ガーデニングがお好きな飼い主さんにはぜひ知っていただきたいことがあります。実は人気のガーデニング植物の中には、ペットが食べてしまうと有害なものも思いの外たくさんあるということです。
肥料や植物の薬剤を使用する際にも注意が必要です。
正しい知識を知ったうえで、ガーデニングを楽しみつつ、ペットと安心して暮らせるお庭づくりを目指しましょう♪
- はじめに
- ペットに有害な植物リスト
- 安全策と安心とされる植物
- もしも食べてしまったら?
- まとめ
1.はじめに
ネギ類はNG!
犬や猫が「ネギ類」を食べると中毒を起こすことはよく知られていますね。実はガーデニングに人気の植物の中にも中毒症状を起こす種類のものが意外と多いことはご存じでしょうか。大事な家族のペットが誤って口にする危険を回避するため、飼い主さんが正しい知識を持つことがとっても大切です。
トマトは大丈夫ってきいたけど・・・
たとえば、犬や猫に与えても大丈夫とされている、「トマト」ですが、与えていいものは必ず完熟した赤いトマトの実の部分でなくてはなりません。それはなぜだかご存じですか?
緑色のヘタや葉・茎の部分には、下痢や嘔吐を引き起こす可能性のあるアルカロイドという有害成分が微量ですが含まれています。青く熟してないトマトも同様に含まれています。おうちでトマトを与える際には完熟部分のみを1日に15g程度(ミニトマト1、2個分)にとどめておくのがいいのだそう。トマトには水分が多いので与えすぎは下痢になる可能性もあるためです。
これは、正しく知識を知っておく必要がありますね。
猫は草を食べる習性がある
もう一つ、知られていることで、猫は肉食動物ですが「猫草」などの植物も好んで食べます。猫には毛玉吐きという習慣があり、先端のとがった草を食べて胃に入れることで、わざと吐き気を催し胃の中の毛玉をはき出すというもの。なのでとがった草を見つけるとついつい食べてしまうのが猫の習性。毒性がありとがっている植物を観葉植物としておうちにおいている場合には誤って猫が口にしないよう注意が必要だということがわかります。
このように知っておきたい、ペットに中毒を起こす身近な植物、主なものと対策をご紹介していきますね。
2.ペットに有害な植物リスト
特に気を付けたい! ユリ科の植物 カサブランカ・テッポウユリ・チューリップ・ローズリリー・ヒヤシンスなど
ユリ科の植物は花が大きく華やかなものが多く、ガーデニングで人気の植物ですが、実は犬や猫にとっては猛毒となる植物です。ユリに関しては、花びらや葉、球根はもちろん、茎の部分や花粉を舐めただけでも中毒症状を引き起こした例も報告されています。花瓶に活けているお水であっても有害物質が含まれますので絶対にあげてはいけません。
家族にペットがいる方はユリ科の植物を飾ったり、育てたりしないようにしましょう。万が一食べてしまった場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
症状:量にもよりますが、摂取すると主に、嘔吐や下痢、食欲不振やよだれが大量に出るといった症状が見られたり、進行すると急性腎障害を引き起こし、死に至る場合があります。花、花弁、花粉、葉、茎などどの部位でも少量摂取しただけで危険です。
チューリップ
可愛らしい、春の花の代表格のチューリップですが、こちらもユリ科の植物で危険です。ツリピンという有害成分が心臓に障害をもたらす毒性があります。そのため、最悪の場合、こちらも死に至る危険性が高いです。
症状:下痢・嘔吐・食欲減退・腎機能の低下
スズラン
可憐な見た目をもつスズラン。そのかわいらしい姿からは想像もできないほど、強い毒をもっています。コンバラトキシンやコンバロシドなどの有毒物質が特に根や花に多く含まれています。
食べてしまった場合は、早急に動物病院へ連れて行く必要があります。症状の進行が早く、手遅れになると死に至る危険性が高まるため、「もしかしたら食べてしまったかも」の疑いがあるだけでも、動物病院へ連れて行きましょう。
症状:嘔吐や下痢、めまいを引き起こした後、血圧低下や心臓麻痺を引き起こすことがあります。1時間以内と短時間に症状が進行します
スイセン
観葉植物の中でも、犬の誤食事故が多い観葉植物です。お家の庭で栽培しているご家庭も多く、飼い主さんが少し目を離した隙に食べてしまった…というケースが多いです。スイセンには不溶性のシュウ酸カルシウムが含まれていて、触るだけでも皮膚炎を引き起こすことがあります。
症状:少量でも嘔吐やかぶれ、多量の場合には、中枢神経の麻痺を起こし最悪の場合死に至ることも
ナンテン
漢方にも使われることのあるナンテンですが、ペットにとっては有毒植物です。葉にシアン化物、実にはアルカドイロが含まれていてペットが口にすると発作を起こし、昏睡呼吸不全で最悪の場合、死んでしまうこともあります。人にとっては薬でも、量次第によってはペットに危険な植物です。
症状:運動失調、発作、呼吸不全、昏睡などを引き起こす
アジサイ(紫陽花)
アジサイは、最も毒性が強いとされるつぼみの他にも葉・茎・根に青酸配糖体(アミグダリン)という有害成分があります。この青酸配糖体自体に毒性はないものの、動物が食べると消化の際に出される酵素に反応して猛毒のシアン化水素が発生し、中毒症状を引き起こします。
症状:嘔吐・下痢・痙攣・ふらつき・昏睡など
サトイモ科の植物 ポトス・モンステラなど
サトイモ科の植物は大きく肉厚な緑の葉が魅力的で観葉植物として人気です。しかし、葉や根茎にはシュウ酸カルシウムが多く含まれているため、猫が食べると口腔内にチクチクと刺さり炎症や疼痛を引き起こし、嘔吐することがあります。猫がいる室内には置かないようにしましょう。
症状:口腔内の腫れ、嘔吐
アロエなどの多肉植物
多肉植物も有害な部類に含まれます。たとえば、アロエの皮や葉にバーバロインという成分が含まれ、口にしてしまうと下痢や腎炎を引き起こす可能性があります。
また、多肉植物の中にはサボテンのようにトゲがある植物も多く、触れたり、口にすることで手足や口内、口周りを傷付けてしまうことがあるためです。
症状:下痢、腎炎
この他にもまだまだあります!気を付けたい植物たち
- アサガオ:種子に毒性があり、下痢、嘔吐、腹痛、血圧低下、反射低下、幻覚などを引き起こす
- キキョウ:根に毒性あり、嘔吐、下痢、胃腸炎、血圧低下、溶血など
- クリスマスローズ:全草、特に根に毒性あり、嘔吐、下痢、不整脈、血圧低下、心臓マヒなど
- シクラメン:根に毒性あり、胃腸炎、ケイレン、神経マヒなど
- ジンチョウゲ :花、根 に毒性あり、皮膚炎、嘔吐、下痢など
- パンジー:根茎、種子に毒性あり、嘔吐、神経マヒなど
- ポインセチア :茎、葉に毒性あり、嘔吐、下痢、皮膚炎、痙攣など
- シャクナゲ:葉に毒性あり、嘔吐、下痢、よだれ・昏睡など
- ソテツ:種子に毒性あり、嘔吐、食欲不振、黄疸、腹水など
- イチイ:木、樹皮、種子に毒性あり、嘔吐、下痢、虚脱症状、運動失調、呼吸困難など
- 藤:さや、種子に毒性あり、嘔吐、下痢、血液量減少、ショック、虚脱など
- アザレア:植物全体、特に葉に毒性あり、嘔吐、痙攣など
キョウチクトウ:植物全体に毒性あり、 腹痛、嘔吐、よだれ、ショック、昏睡など - カラー:葉に毒性あり、口内炎、皮膚炎など
- イヌサフラン:植物全体特に球根に毒性あり、よだれ、嘔吐、下痢、呼吸低下、ショック症状
- ドラセナ(幸福の木):葉に毒性あり、嘔吐、下痢、手足の腫れ、麻痺など
- ヒガンバナ:植物全体、特に根に毒性あり、嘔吐、下痢、昏睡など
などなど・・・。
※このほかにも、ツツジ科、ナス科の花などにも注意が必要です。
3.安全策と安心とされる植物
安全策
たとえば、草を食べる習性をもつ猫がいる環境に観葉植物を置く場合は、まず、置きたい観葉植物の種類や毒性がないかどうかを十分確認することと、猫が観葉植物にどの程度の興味を示しているか観察して、なめたり、かじるような様子があれば、置き場を変える工夫をしましょう。
また、木酢液を使用する方法があります。木酢液は犬や猫が苦手なニオイです。原液を薄めたものを植物に吹きかけると効果的です。ですが、独特なニオイなので、どうしてもペットが植物で遊んでしまったり、土を掘り返してしまうというときに使うようにするとよいでしょう。木酢液は植物の病気や害虫予防に使用される、猫に害のない液体です。必ず説明書を読み適正な濃度に希釈して使用しましょう。
その他に、掘り返すのを好むペットには、土の上に被せる大きめなウッドチップなどを利用することで掘り返し予防に効果的です。
次に安全とされている植物をご紹介しますね。
猫草
実は猫草という名前の植物は存在しません。害がなくて、多くの猫が好んで口にする草を「猫草」と呼んでいます。よく見かける猫草は、えん麦を使用していることが多いです。ほかの植物を食べてしまうことを防ぐためにも、飼育環境に猫草を置いておくことは効果的です。
パキラ
ブラジル原産の観葉植物で、育てやすく、人気の観葉植物です。実は種は有毒ですが一般的に流通しているものは挿し木栽培がほとんどで花や種子ができることは滅多にありません。茎や葉には毒性がなく、安全性は高い植物といえます。
アジアンタム
シダ植物の一種で、やわらかい葉をもつ観葉植物です。毒性がないのでペットのいる部屋に置くことが可能です。毒性はありませんが、やわらかい葉の枝がゆらゆら揺れると、猫の興味をそそる場合があるので、いたずらには注意しましょう。
サンスベリア
アフリカ原産の多年草です。幅広の葉が真っ直ぐ生える姿がスタイリッシュで人気の観葉植物です。無害と言われていますが、先端が鋭く先細っているため、興味を持って近づくようであれば、遊んでケガをしないよう配置に気を付けましょう。
ヤシ科
アレカヤシ、テーブルヤシ等のヤシ科の植物は、室内でも管理がしやすく育てやすい人気の観葉植物です。葉の先端が尖っているため猫がじゃれてケガをしないよう注意が必要ですが、無害なのでむしろ、使い捨ての猫じゃらしにもなります。
テーブルヤシ
ペペロミア類
ペペロミアには多くの品種があり、葉の形、葉色など様々あります。インテリアにあわせることができてこちらも人気があります。犬や猫には無害です。
などなど、ペットに安全な植物を紹介しましたが、ペットには個体差があります。安全と言われている植物でも自宅に設置する際はペットとの距離や興味の様子をよく観察してあげることが大切です。
4.もしも食べてしまったら?
もしも犬や猫がこれらの有害植物を摂取してしまった場合、早急に動物病院に通院しましょう。摂取したことが疑われる場合でも通院することをお勧めします。摂取して時間が経過してしまうと、有毒成分が体内に吸収されて症状が重くなったり、治療が困難になる場合があります。
その際に大事なことは、診察時に獣医師が的確な判断ができるよう、できるだけ詳しく説明することが大切です。具体的には「何を、いつ、どのくらいの量」食べたのかが治療の際、非常に重要な情報となります。
5.まとめ
いかがでしょうか。
今回紹介したペットにとって有害な植物はあくまで一例です。実際にはもっとたくさんの有害な植物が存在します。
意外にもこんなに身近に家族であるペットに有害な植物がたくさんあっておどろいた方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、ほとんどの動物は本能的に危険なものは口にしないってわかっているものです。たとえば、人間にも有毒なユリ科の植物ですが、私達人間も普段それを食べようとはしませんよね。ペットも同じです。
あとは飼い主である私たちが、ペットと植物の安全な知識と距離を保って環境を作るようにすればいいのではないでしょうか。
そのためにはしっかりとこれらの知識を持っておくことが大切ですね。
ペットと素敵なガーデンライフをお過ごしください♪