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ゲッケイジュ(月桂樹)の育て方
花言葉は勝利、オリンピックメダリストの草冠や、葉がローリエという香辛料として使われます
ゲッケイジュ(月桂樹)
月桂樹は、花言葉に「勝利」や「栄光」という言葉をもち、オリンピックのメダリストが、頭につける草冠に使用されることでご存じの方も多いのではないでしょうか。また、葉は乾燥させてローリエという香辛料として、煮込み料理などに利用されます。
植物名:ゲッケイジュ(月桂樹)
学名:Laurus nobilis
和名:月桂樹
別名:ローリエ、ローレル
科目:クスノキ科
属名:ゲッケイジュ属
原産地:地中海沿岸
花言葉:栄光、勝利、栄誉
特徴
ゲッケイジュは地中海沿岸が原産の雌雄異株の常緑高木です。樹高は10m以上にもなります。葉はローリエ、ローレルとして乾燥させて香料として料理に使われます。雄と雌の木では、雄であれば黄色い花が、雌であれば白い花が咲きます。ですが日本では雌株は少なく、ほとんどがさし木でふやされた雄株です。耐暑性があり、生育も旺盛で上にまっすぐ育ち、芽吹きもよいため、生け垣や刈り込みによる仕立て物をつくるのにも適しています。
ただ、旺盛に茂る枝葉を定期的に剪定して風通しをよくする必要があります。剪定を行うことで過湿を防ぎ、病害虫を抑えて、健康に育てることができます。
香料のローリエには、リナロール・オイゲノール・ミルセンなどの精油成分が大量に含まれているため、料理の香辛料の他に、芳香剤や精油としても利用されています。
環境
日当たりの良い場所を好みますが、少し暗い場所でも育つので、やや日陰でも問題ないでしょう。耐暑性と耐寒性もあるので、日本でも東北宮城県あたりであれば地植えで育てることも可能です。ただ、冬の乾燥した寒風は苦手です。鉢植えなら軒下に移動させるなどの対策が必要です。
枝が横に張らずに上にまっすぐ伸長するので、狭い場所でも育てられます。
水やり
鉢植えの場合は、表面の土が乾いて少したってから水やりをするように、控え目に与えるとよく生長していきます。
地植えの場合は、植え付けて2年未満の若い株も鉢植えの時と同様に水やりを行いますが、2年以上の株になれば自然降雨の管理で大丈夫です。真夏の雨が降らない乾燥時期には様子をみて水やりをしてあげましょう。冬場の水やりの作業は不要です。
肥料
ゲッケイジュは肥料のタイミングを欠かさないようにしましょう。
地植えの場合は、2月に油かすなどの有機肥料を株元の周りに撒いておきます。
鉢植えの場合は、1~2月、8~9月にそれぞれ油かすと緩効性の化成肥料を混ぜたものを施します。
土
水はけのよいことの他には土質をあまり選びません。配合土の場合は、赤玉土小粒6:腐葉土4の割合がおすすめです。
樹皮堆肥を1割ほど加えるのもおすすめです。
剪定・収穫
ゲッケイジュの剪定最適期は3〜4月頃と10~11月頃の年2回です。厳しい寒さの時期だけは必ず避けましょう。
枝葉をよく茂らせるので、枝を切り落として樹形を整えます。重なり合った枝や弱った枝、枯れた枝などを根元から切り落とすようにします。
特に細かく考えずに、バランスを見ながら刈り込んで大丈夫です。多少強く刈り込んでも生育に支障はあまりないので様々な仕立て方を楽しむこともできます。
枝はまっすぐ上に伸びる性質があるので、円筒形や円柱形などのすらっとした仕立てを比較的よく見かけます。
葉の収穫
常緑性の樹木のため、葉は一年を通して収穫することができます。
ですが、株が2年未満の若いうちは生長させることに重点を置いたほうがよいでしょう。
収穫する葉は若葉ではなく半年以上経過したものが適しています。剪定時に刈り込んだ枝から収穫するのもおすすめです。
収穫した葉は水洗いで表面の汚れを落とした後、広げて乾燥させます。カレーやシチューなどの煮込み料理の香りづけの他に、防虫剤代わりに米びつやタンスに入れても多少の効果があるといわれています。