お庭づくりの豆知識や、日々のこと
シャラノキの育て方
古くから寺院などに植えられてきた落葉高木、近年は家庭の庭にも人気があります
シャラノキ
お寺の庭木として昔から植えられてきたシャラノキは、葉は明るい黄緑色で表面に深いしわがあり、幹は樹皮が灰褐色で薄く滑らかな樹木です。花とともに高い観賞価値があり、近年は家庭の庭にも好んで植えられるようになりました。
植物名:シャラノキ
学名:Stewartia pseudocamellia
英名:Japanese stuartia
別名:ナツツバキ
和名:沙羅の木、夏椿
科目:ツバキ科
属名:ナツツバキ属
原産地:日本
花言葉:愛らしさ、はかない美しさ
特徴
シャラノキは、日本原産の主に東北地方南部から南の山地に自生している耐寒性の落葉高木です。葉は卵型の明るい黄緑色で表面に葉脈の筋がみえます。新緑の美しさも秋の紅葉も楽しめ、幹は灰褐色でなめらかなためにサルスベリに似ています。
古くから寺院などの庭でシャラノキと称して植えられてきました。お釈迦様が入滅するときに近くに生えていたサラソウジュ(沙羅双樹)に似ていることに由来すると言われています。
ツバキに似た花を夏に咲かせることから夏椿とも呼ばれます。6月頃に白い花を咲かせます。大きさは5~7cm程度で花芯部が黄色で花びらとのコントラストが美しい花です。ただし、花は一日花です。開花後は1日で花が落ちます。
9月~10月頃には小さな実ができ、熟すと先が裂けて種子が出ます。
環境
シャラノキは、日当たりを好みますが、強すぎる直射日光と乾燥が苦手です。そのため、西日の強い場所や真夏に高温乾燥する場所での植栽は向きません。強い直射日光の当たらない、日なたから半日陰が適しています。
東北地方南部より南に自生している樹木なので、寒さにそこまで強くはありません。寒さの厳しい地域で育てる場合は、マルチングなどの対策をしましょう。
水やり
乾燥が苦手です。もし水が足りなくなると葉が反り返ったり、しおれたり枯れたりする原因になります。土が乾いたらたっぷり水やりを行いましょう。
肥料
地植えの場合は特に必要ありません。
施すとしたら、開花後のお礼肥として少量の油かすと、寒肥として有機肥料を行いましょう。
鉢植えの場合は、春の芽吹き前と開花時期に緩効性肥料を与えるのがよいでしょう。
土
シャラノキは黒土に腐葉土を混ぜたような、湿り気があって、肥沃な土を好みます。通気性があり、保湿性に優れた土が適しています。
配合土の場合は、腐葉土3:赤玉土6:川砂1の割合がおすすめです。
剪定
シャラノキは基本的に強い剪定は必要ありません。自然のままの樹形が美しく、大きく刈り込むと却って魅力を損なってしまいます。休眠期の秋から冬の間に重なっている枝葉を整えるくらいの枝抜き剪定を行う程度にとどめましょう。
枝抜き剪定する際は、枝分かれしている箇所で切り落とすようにします。枝の途中で切ると、そこから枯れてしまうことがあるので注意しましょう。