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シラカシの育て方
冬でも青い葉をつける常緑樹として人気の庭木、ドングリの木
シラカシ
シラカシは、冬でも落葉しない常緑樹で大型のシンボルツリーとして人気があります。葉色が薄く、さわやかな雰囲気の樹形も人気の理由となっています。間隔を狭めて植え付けて生垣など家のボーダーにも活用でき、病害虫に強く、手入れも楽なため、育てやすいのも人気の理由です。
植物名:シラカシ
学名:Quercus myrsinifolia
和名:白樫、黒樫
別名:ドングリの木
科目:ブナ科
属名:コナラ属
原産地:日本、朝鮮半島
花言葉:勇気、力、長寿
特徴
シラカシは、ブナ科コナラ属に分類され、東北地方より南に主に自生している常緑性の広葉高木です。カシ類の一種で、材木にしたときに白いことから、「シラカシ」と呼ばれるようになりました。
冬でも葉が落ちず、寒さにも比較的強いため、庭木や防風林に広く利用されてきました。別名の「ドングリの木」のほうがイメージしやすく親しみやすいかもしれません。
もう一つの別名「黒樫(クロカシ)」は、樹皮が褐色で黒く見えるところからそう呼ばれることもあります。春になると黄褐色の花を咲かせ、見頃は葉色が鮮やかになる4~5月です。
環境
十分なスペースを確保したうえで、植栽します。シラカシは一度植えたら場所を変えないことが元気に育てるポイントになります。垂直に根をおろして、細かい枝をあまり生やさないため、もし移植で根が傷むとすぐ枯れてしまうためです。
日当たりの良い場所が適していますが多少の日陰には耐えます。同じカシ類のなかでも、耐寒性はかなり強いほうです。東北から九州にかけて植栽可能です。
水やり
一度根付いたら、かなり丈夫な性質でよく育ちます。基本的には降雨のみで十分です。乾燥時期が長く続き、土がよほど乾燥している場合は、適宜水を与えてあげましょう。
肥料
基本的に肥料は不要です。
もし施す場合には、2月頃に油かすを株元から少し離れた場所に置き肥します。さらに9月頃に化成肥料を少量与えてもよいでしょう。
土
保水性と通気性のバランスのよい土が最適です。
配合土の場合は赤玉土6:バーク堆肥4の割合がおすすめ。
地植えする場合は、植付け前に土質が悪い場合は川砂や軽石等を混ぜて通気性をよくします。堆肥や腐葉土等を混ぜて土壌を改善します。
剪定
基本的にシラカシは植え替えができません。
太い根を真下に伸ばし、細い根をあまり生やさない性質に為に、植え替えの場合はかなり深く掘り進める必要があり、万が一ねを傷つけるとすぐ枯れてしまいます。もしどうしても植え替えが必要な場合は、専門の業者に依頼するほうがおすすめです。
シラカシは、樹勢が強いためにこまめな剪定が必要です。剪定適期は、6~7月と10~11月中旬です。年1回の剪定にするならば、新芽が固まってしまう前の6月半ばがおすすめです。
徒長している枝や立ち枝、逆さ枝などの樹形を損ねるような枝と枯れてしまっている枝を付け根から切り落としていきます。防風のための生垣にする場合は、脇芽の発育を促すために強い剪定を行います。
また、 シラカシは頭頂部の生育が早いのが特徴で、もしそれ以上の高さを伸ばしたくない場合は芯止めをする必要があります。
枝葉をほぼ切り詰めて幹を棒状に伸ばす「棒ガシ」に仕立てる場合は、刈り込みを行って樹形を維持します。刈り込みの適期は11月か新枝が伸びる直前の4月に行います。
十分なスペースがあれば、ほぼ放任で自然樹形を楽しめます。