お庭づくりの豆知識や、日々のこと
ジンチョウゲ(沈丁花)の育て方
ジンチョウゲは香りが良いことで有名な三大香木のひとつ
ジンチョウゲ(沈丁花)
ジンチョウゲ(沈丁花)は春に香りの高い花を咲かせる代表的な樹木です。三大香木のひとつとして、春のジンチョウゲ(沈丁花)、夏のクチナシ(梔子)、そして秋のキンモクセイ(金木犀)と共に三大香木と称されます。
植物名:ジンチョウゲ
学名:Daphne odora
和名:沈丁花
科目:ジンチョウゲ科
属名:ジンチョウゲ属
原産地:中国、ヒマラヤ
花言葉:栄光、勝利
特徴
ジンチョウゲは、中国原産のジンチョウゲ科の常緑低木で、早春に香りのよい小さな花が毬のような塊になって枝先に咲かせる代表的な花木です。花姿は外側が紅紫色で内側が純白をしていて肉厚な花です。葉は、濃い緑色をしていて花とのコントラストが美しい花木です。実際のところは花弁のように見える部分はがく(萼)部分が花弁状に変化したもので、本来の花弁ではありません。
樹高は1m~1.5mほど。枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形になります。
耐寒性は-5℃程度。東北地方南部の平地より南でしたら地植え栽培することが可能です。ただし、移植が難しい性質があり、場所を検討したうえで植え付けましょう。
環境
地植えの場合は、西日の当たらない半日陰を選んで植え付けます。植え付けの注意点として、根を切らないように注意しましょう。完全な日陰では花が付きにくくなります。有機質に富んだ、水はけと水もちのよい、弱酸性の土壌を好みます。
移植することに向きません。移植して枯れる場合が多いので、必要のないように植えつけ場所の選定はよく検討しましょう。
鉢植えも同様に、根が切れると株が枯れてしまうことが多いために、植え替えが必要な鉢には向きません。
水やり
根が浅く広がるので、極度の乾燥は浅い根にダメージを与えます。生育期の春や、真夏の高温時期に乾燥させすぎないよう、土が乾いたら水やりを十分に行いましょう。それ以外の時期は特に水やりの必要はありません。
肥料
花後の4月終わりころと株が充実する9月ごろに緩効性化成肥料を施します。
また、1~2月ころに寒肥として油かすと骨粉などの有機肥料を施すとよいでしょう。
土
植え替えが苦手なので、植栽する場合は、植え付け時に堆肥を混ぜておきます。水はけと水もちのよい土が適しています。
配合土の場合は、赤玉土小粒6:腐葉土4の割合がおすすめです。
剪定
よく分枝するので自然に半球状の樹形にまとまり、基本的には剪定の必要はありません。むしろ剪定によって枯れる場合もあるために、好みの樹形に仕立てるよりは自然樹形を楽しむことに向きます。もし株元の枝が混み合って軽い剪定が必要な場合は、風通しをよくするため、最小限余分な枝を切り落とす程度にとどめます。最適時は花後のなるべく早い時期です。翌年開花する花芽は6月~7月の間にはできあがるのでそれまでに行います。
剪定する場合は、必ず、枝の枝分かれしている付け根で切るようにします。枝の途中で切ると見た目が不自然なばかりか、そこから芽吹いた芽が樹形を乱すことになります。
もし、株が大きくなりすぎた場合は、全体を刈込むことも可能です。ですがその際、太い枝をたくさん切ると株が弱くなって枯れてしまう原因になりますので一度にあまり深く刈込むことはおすすめしません。