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ヒラドツツジの育て方
長崎県平戸より生まれ、春に大輪の花を咲かせるツツジ
ヒラドツツジ
ヒラドツツジは、長崎県平戸が発祥とされるツツジの品種のひとつで、春に見ごたえのある大輪の花を咲かせ、人目をひきます。常緑低木なので、庭木や生垣に利用されます。公共の公園などでもよく見かけます。
植物名:ヒラドツツジ
学名:Rhododendron × pulchrum
和名:平戸躑躅
科目:ツツジ科
属名:ツツジ属
原産地:長崎県平戸
花言葉:愛の喜び
特徴
ヒラドツツジは、漢字で平戸躑躅と書き、古くから長崎県平戸で栽培されてきたことが名前の由来とされる、ツツジ科ツツジ属の常緑低木です。
古来より交易の中心地であった平戸で、沖縄原産のケラマツツジ、中部地方のモチツツジ、西日本原産のキシツツジ、台湾原産のタイワンヤマツツジなどの各地のツツジが持ち込まれ、寺院や武家屋敷内でそれらが自然交雑し、誕生したものと考えられています。
花は、4~5月頃に大きく見ごたえのある花を咲かせ、庭木だけでなく、公園や生け垣などに使われています。
ヒラドツツジは交配が重ねられ、品種が色々とあり有名なものではオオムラサキもそのひとつ。
他のツツジ品種と違う点は、寒さに弱いという点が挙げられます。寒冷地での栽培は向きません。
環境
ヒラドツツジは、あたたかい平戸地域発祥の植物です。そのため、寒さや乾燥は苦手です。
基本的に日当たりを好みます。半日陰でも育ちますが、見ごたえのある花つきが悪くなるので、魅力が半減します。ただし、真夏は暑さで株が弱まるのと、水切れしやすいので、鉢植えの場合、移動できるならば半日陰での管理がおすすめです。
地植えの場合は、真夏の乾燥対策としてマルチングなどをして株元の乾燥を防ぎましょう。
水やり
地植えの場合は、根付いてしまえば水やりは自然雨だけで十分です。様子をみて乾燥が続くようならば適宜水をやってください。
鉢植えの場合は、特に水切れしやすいので、しっかりと水やりをします。
春と秋は晴れたら毎日あげましょう。夏は基本的に朝夕2回、鉢の底から水が染み出すくらいにしっかりと水やりしましょう。冬は土の状態を見て乾いてるようなら水やりをします。
肥料
ヒラドツツジは根が浅いので、根に肥料が当たると根が傷んでしまいます。基本的にはあたえなくても問題はありません。
もし肥料をあたえるときは、あたたかくなる春(2~3月)や秋(10~11月)頃に固形の油カスをおいてください。その際に、肥料を株に近づけておいてしまうと、枯れてしまう原因になるのでかならず株元に置かず、離して置くようにしましょう。
土
水はけと水もちのよい酸性土壌を好みます。ホームセンターなどで市販されているサツキ・ツツジの専用培養土を利用するのが一番簡単です。
配合土になると、赤玉土細粒4:鹿沼土細粒2:ピートモス3:バーミキュライト1の割合がよいですが、費用がかかりがち。
地植えの場合、植え付け前に酸性の鹿沼土を入れておくだけでも違います。
剪定
ヒラドツツジは、開花(4月~5月頃)後すぐに剪定をしましょう。開花が終わりかけくらいでもよいかもしれません。今年出た新しい枝に来年開花します。7月頃にはすでに新しく花芽をつけていて、花芽がついてから剪定をしてしまうと、翌年咲く花が少なくなってしまうので注意しましょう。
剪定のコツは、イメージしている形よりひと回りほど短く切っていくこと。はじめに長く伸びきっている太い枝を、枝元から切っていきます。切り終わったら、全体的に形をととのえていきます。ヒラドツツジは、丸くなるように剪定するのが一般的です。イメージの形が思いつかない場合は、丸く切っていきましょう。
また、花がらは見つけ次第、手やハサミで摘み取っていきましょう。摘み取ることで、新しい花芽に栄養が届きやすくなります。枝先から約3~4cmのところをやさしく摘み取るようにします。