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ヤブツバキの育て方
日本固有であり、日本最古の観賞用花木として知られている常緑性の高木
ヤブツバキ
ツバキには数多くの品種があり、ヤブツバキはその代表的な存在です。日本固有の常緑性の高木で、樹高5~6mまで成長し、青森県から沖縄にかけての山林などに広く分布しています。大島をはじめとした伊豆七島はヤブツバキの名所として古くから知られています。
植物名:ヤブツバキ
学名:Camellia japonica
英名:Camellia
和名:藪椿
科目:ツバキ科
属名:ツバキ属
原産地:日本
花言葉:誇り、控えめな優しさ
特徴
ツバキ科ツバキ属に属する日本固有の常緑樹で本州から沖縄の各地に自生します。また、大島をはじめとする伊豆七島はヤブツバキの名所として古くから知られています。
一般に「ツバキ」という場合は園芸品種を含みます。野生の原種であることを区別するために「ヤブツバキ(藪に生えるツバキ)」と称します。植物学上の名称になります。
日本最古の観賞用花木または、代表的な茶花として知られていて、江戸時代にはヤブツバキをもとに多くの品種改良が進み、現在では500を超える品種が存在します。ヨーロッパでも冬のバラの愛称で好まれ、海外でも品種改良が進んでいます。
成長が遅いですが、丈夫で寿命が長い樹木として知られていて、日本原産で特に環境を気にせず育てることができます。
葉は、厚みと光沢がある濃い緑色で、互生し、長さ4cm~8cmの楕円形をしており、縁はギザギザした形をしています。
花は、開花時期が11月~12月と2月~4月の年に2回で、花径5cm~7cmで白色からピンク~濃い紅色まで濃淡のある花が咲きます。花びらは5枚で1枚1枚が独立した離弁花です。
雄しべの花糸が白く雌しべは黄色く目立つので花びらと雄しべの色のコントラストが美しいです。
また、多数の雄しべと花びらがくっついていて筒状になっているので、花後、花全体がまとまって落ちるのも特徴のひとつです。
実は、蒴果で、直径2cm~2.5cmの球形で果皮はぶ厚く、中に大きな黒褐色の種子が6個ほど入っています。熟すと分裂してはじけて種が出ます。この種からは、精油が採れ、化粧品や整髪剤などに利用されます。
環境
ヤブツバキは、環境を選ばず育ちますが、花付きをよくするならば半日蔭が最適です。
また、強い風が当たるような場所だと、蕾や花が落ちてしまうので避けましょう。
やや乾燥に弱く、土質はあまり選びませんが適度な湿り気のある状態がベストです。
水やり
地植えの場合は、植え付けてから根付くまでの2年間は土の表面が乾いたら水やりをするようにして管理しましょう。
それ以降は乾燥が続く場合に様子をみて水やりをする程度で大丈夫です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。
肥料
地植えの場合は、寒肥として2月ごろに、油かすなどの有機肥料を株元に施しておきましょう。
鉢植えの場合は、開花後の3月ごろに化成肥料を施します。様子をみて生育が悪い場合は秋に追肥してもよいでしょう。
土
ヤブツバキに適した土は、水はけのよい、肥沃な土です。土壌㏗は日本の土質の弱酸性で育てます。アルカリ性用土では、葉が黄色く変色し落葉してしまうので注意しましょう。
配合土の場合は、赤玉土小粒1:腐葉土1:鹿沼土1の割合の用土がおすすめです。
剪定
ヤブツバキの剪定は、花後の4月~5月中に行うのが最適期です。この時期を逃すと6月になって花芽が付いてしまうので、剪定をする場合は花が終わったらすぐに行います。
剪定は、混み合っている枝や分岐した枝を切り落とします。
樹形はあまり乱れませんが枝分かれが多いので、間引くように剪定すると風通しが良くなります。
また、樹高を高くしたくない場合は頂点を切って切り戻しを行います。
ヤブツバキは強めの剪定を嫌がるので、毎年こまめに剪定するようにしましょう。