お庭づくりの豆知識や、日々のこと
寒肥って必要?プロが詳しく解説します!
こんにちは!
GOOD2 GARDENです。
今回はこの時期、お客様からよくご質問いただく「寒肥」について、プロの目線から詳しく解説させていただきます。
わざわざ寒いこの時期にしなくてもいいのでは?
葉が落ちて裸になっている冬の木に肥料が必要そうには見えないけど?
そんなふうに考えてしまいがちですよね。
でも、プロの目線からしますと、
「寒肥こそ1年の生長の決め手となる大事なポイント」
と考えます。
というのも、この時期に寒肥を施しておくと、春先に生長期を迎えた時の植物の生長具合が全然違うんです♪
そもそも寒肥とはなんぞや?から、なぜ休眠期に与えるのか、その効果は?どんな種類がいいの?などをご紹介していきます。
今まで、寒肥なんてしたことなかった、という方やガーデニング初心者のみなさま。
だまされたと思ってぜひやってみてください♪
それでは詳しく解説していきましょう!
- 寒肥とは
- 冬に施すには理由があります
- 寒肥の効果
- 寒肥の種類
- 寒肥の施し方
- まとめ
寒肥とは
寒肥とは「かんごえ」、「かんぴ」と読み、その名の通り冬に与える肥料のことをいいます。
主にバラや桜、ツツジといった花木や、梅や桃などの実をつける果樹などの庭木に対して行います。マツなどの常緑樹には、基本的に必要ありません。また、同じ植物を植えてたとしても、鉢植えやプランターの場合には植物にとっての環境が違うため、施してもあまり効果が得られないので、あえてする必要はないでしょう。
寒肥は1年を通じた庭木肥料の中でも最も大切な作業になります。するとしないでは春の生長期を迎えてからの木の成長や花付き、実付きに影響しますので、忘れずにしっかり与えましょう。
では、寒肥の時期とは?
目安として12月からこの2月までの間、
(今、ですよ、いま~!!)
です。ちなみに積雪のある地域の場合は雪が降る前か雪解けしはじめた頃に行うことが多いようです。
冬に施すには理由があります
寒肥の時期は12月~2月までの間に、とお伝えしました。
あれ?春の生長に必要な肥料なら、春に与えればいいのでは?と思いますよね。でもあえてこの冬の時期にする大きな理由があるんです。
それはというと、
冬は樹木が休眠期に入り、生長活動がほとんどストップした状態になります。寒肥はまさにその期間を利用して、数カ月かけて分解されるような肥料を施します。そうすると春の生長期を迎えた時には地中に十分な栄養となっていきわたります。
春になったら樹木がまずとりかかるのは、新芽を出すことにあります。樹木は春にこの新しい芽をだすためにたくさんの栄養を必要としますので、この地中の栄養がとっても重要なんです。
ですので、冬の間に寒肥を行っておくかどうか、ということは春の植物の生長に大きくかかわるポイントになります。
寒肥に使うのは、有機質肥料です。人工的に作られた化成肥料との違いは、有機物は地中の微生物に分解されてはじめて肥料になる特徴があります。冬の間に施すことにより地中でゆっくり微生物に分解されてできた肥料は、春にちょうどいいタイミングで根に吸収されるようになります。
寒肥の効果
寒肥が必要な樹木は大きく分けて3つあります。それは、
- 苗木(植え付けたばかり)
- 花木(桜・梅・ハナミズキなど)
- 果樹(柿・リンゴ・ミカンなど)
の3つです。
特に苗木は成長を促すために多くの肥料が必要になりますので、どんな樹種でも苗木のうちはしっかりと肥料を与えましょう。
また、庭木でよく見る「松」、「イチョウ」、「カエデ(紅葉)」などの花や実をつけないものに関してはあまり肥料を必要としませんので、寒肥は施さなくて大丈夫です。
そして寒肥をすることによって、得られる効果について。
ズバリ、
- 新芽が増える
- 果樹の場合は実が甘くなる
- 病気や虫が付きにくくなる
の3つです。寒い時期に作業するのは大変ですが、その分春を迎えた樹木にこれだけのメリットがあるんです♪
寒さを我慢してでも行うだけの価値はありますよ~!
寒肥の種類
寒肥のメリットはわかったけど、いったいどの肥料を使ったらいいの?
寒肥には有機質肥料を使いましょう
油かす + 骨粉
基本的におすすめするのが「油かす」と「骨粉」を7:3の割合で混ぜたものです。これで大体ほとんどの樹木に使えます。
油かすとは、菜種や大豆など、油を搾り取った後のかすで、チッ素が多く含まれた肥料です。
骨粉とは、獣骨を砕いて乾燥させて粉末にしたもので、リン酸カルシウムが多く含まれた肥料です。
これを1㎡あたり100~200gを目安に施肥しましょう。
堆肥
「堆肥」は、落ち葉や動物のふんなどが、微生物によって分解されてできる肥料です。「腐葉土」も枯れ葉や落ち葉などの有機物が分解され、土のようになったもので堆肥の一種です。これらの植物性の堆肥は、土の性質を改善してくれて使いやすいというメリットがありますが、反面、肥料としては効果が薄いので、寒肥で使用するには、他に鶏糞などの肥料分を混ぜて使うことをおすすめします。
「牛糞」「鶏糞」
「牛糞」や「鶏糞」は、動物のふんでできた肥料です。おおまかにいうとこれらも堆肥の仲間に含まれます。
ですが、肥料の濃度が高いために別に扱うことがほとんどです。
特に鶏糞は肥料濃度が化成肥料並みに高いので、使いすぎに注意が必要です。
ポイントは発酵済みのものを使うこと
油かすや堆肥、鶏糞などの畜糞について、必ず発酵済みのものを選ぶようにしましょう。有機質肥料のデメリットに発酵する際に放つ臭いが挙げられますが、未発酵のものだと臭いがよりきつく、完全に発酵して栄養化するまでにも時間がかかってしまいます。
冬の寒い時期は臭いが抑えられるとはいえ、近隣への配慮も考えると、最近ではあらかじめ発酵済みの肥料を使うやり方が主流になってきています。
発酵済みのものは、すぐに根が吸収できるメリットが。ということは、長く期間を取る必要もないということです。寒肥を施すのは芽吹きが近い2月後半ごろでも大丈夫です。
化成肥料は寒肥に向かない
寒肥に化成肥料を使用することはおすすめしません。化成肥料は、人工的に成分を調整されて出来ていて、栄養価が高く、分解も早く、その分速効性がありますが、寒肥として使用すると休眠中の根に栄養が行き届いてしまい、肥料やけを起こしてしまう可能性があります。そうでなくても、春には必要な肥料の効果も薄れていますので、寒肥としては向いていません。
寒肥の施し方
それでは実際に寒肥の与え方をご紹介します。
場所は栄養を吸収する細い根が張っている、根の先端あたりにします。
根の先端なんて土の中でわからない、と思われるかもしれませんが、枝葉の広がる大きさと根の先端はだいたい同じ位置になります。地上部の枝を見て一番外側を目安にするとよいですよ。
そこから輪状にぐるりと入れるやり方や時計の文字盤のように何ヶ所かを均等に入れるやり方などがあります。
施す際は、10〜20cm程度の穴を掘って寒肥を入れます。この時少し根を切ってしまうかもしれませんが、新しい根を伸ばすことにもつながるので休眠期のよい刺激になります。
肥料がよく馴染むように水をかけてから、最後に土を戻しましょう。
積雪のある地域については、寒肥の季節は基本的に12~2月なのですが、積雪や、土が凍ってしまうような寒さの厳しい地域では土が凍る前、もしくは溶けた後に施すことが多いようです。
プロに任せると
寒い時期の作業は本当につらい。。。
そんなときはプロにお任せするのもひとつの手です。
私達プロにお任せいただくと、ご自分の手では届かないところまでしっかりばっちりさせていただきます。
こちらは「根切バール」
寒肥する際にプロが使う専用の道具です。
鉄製で重量があります。
根切バールを使うと地中深く30cmくらいまでズボッと穴をピンポイントに掘ることができます。
そこに有機肥料を写真のように施します。
プロの目で見極めて、行う寒肥は一味違いますよ!
まとめ
いかがでしょうか。
この寒い時期にあえて行う寒肥の大切な役割について解説させていただきました。
寒い時期ではありますが、大切な庭木のためにも、晴れた日を選んでぜひ寒肥を施しましょう。
確実にきれいな花や実付きに差が出ますよ♪
もちろん私達プロにお任せいただくのもひとつの手です。
お気軽にご相談ください!
それでは素敵なガーデンライフを♪