お庭づくりの豆知識や、日々のこと
土作りの基本をプロが詳しく解説します!
こんにちは!
GOOD2 GARDENです。
今回は、これから春を迎える前に知っておきたい「土作り」について。
春のガーデニングシーズンを目前にまずやっておきたい準備として「土作り」は大事な作業ですよね。
育てたい植物によって最適な土作りとはどんなものなのか。理想的な土作りなど。
プロが詳しく解説します♪
それではいってみましょう!
- 土作りとは
- 肥料について
- よい土とはなんぞや?
- 土作りの方法
- まとめ
1. 土作りとは
植物が元気に育つのに一番大切なことは何でしょうか。
その基本は何といっても土作りです。
植物は土の中に根を生やし、土中から生きるのに必要な水分や栄養を得ています。
植物が元気に育つには、根が健康に育たなければならず、そのためにも土作りはとても大事なものといえます。
根を健康に育てるために、根の住まいである土を知って、植物が喜ぶ土作りを目指しましょう。
基本的に植物が育つよい土の条件とはズバリ、
- 通気性と排水性がよいことと
- 水分や肥料を保持する適度な保水力と保肥力があること
といえます。
そしてさらに園芸用土には様々な土の種類があります。それらを多種多様な植物の個性に合わせた土作りをすることで、植物の持つポテンシャルを引き出した見事な花を咲かせることができます。
2. 肥料について
では、よい土にするために必要な栄養素とは何でしょうか。
■ 肥料の3大要素は、「チッソ・リン酸・カリ」
肥料の3大要素として「チッソ・リン酸・カリ」があります。それぞれチッソを「N」、リン酸を「P」、カリを「K」という記号で表記します。大まかにいうと、
- チッソ(N):葉や茎の生長に必要な栄養素
- リン酸(P):花を咲かせたり実付きをよくするために必要な栄養素
- カリ(K):根の生育に必要な栄養素
ということができます。
たとえば、果樹を育ててる場合は、リン酸の肥料を施したり、カリを好む豆類にはカリ成分多めの肥料を与えたり、葉菜には、チッソ肥料が欠かせない、など。
それぞれの植物の特徴に従って肥料の配分を調整するのが上手にガーデニングするポイントとも言えます。
しかし、実際の自然界ではこれらの3大要素以外の微量要素が、複雑に影響しあっているもの。3大要素だけが効率的に配合された、人工的な化成肥料もよいのですが、雑多な要素も含まれてる、自然の有機質肥料を使った方が良いのでは、という考え方もあります。
■ 土作りには石灰は必要?
よく土作りに関する資料を見ると、「石灰を加える」ということがよく書かれています。
石灰は土作りにどのような役割をしているのでしょうか。
それは土のpH値、酸性土壌かアルカリ性土壌、これらを調整するために石灰が必要なのです。
一般家庭の庭では、まず石灰をあまり必要としません。もし、酸性に傾いた土を中和したい場合は、石灰と同様にアルカリ性である「草木炭」や、マグネシウムを含む「苦土石灰」などを使用して中和させるとよいでしょう。
ちなみに日本の土壌は通常やや弱酸性(pH6.0くらい)です。
3. よい土とはなんぞや?
それでは、ガーデニングにとって「よい土」とはどんな土なのでしょうか?
■ 根を十分に張れる硬さ(柔らかさ)があること
実は土の硬さは環境により様々存在します。粘土質であったり、砂利が混じった土であったりなど。
ガーデニングに最適な硬さとは、粘土質と砂の中間の手触りといわれますが、一言でいうと根がしっかり十分に張れるほどの硬さであることが重要です。
なぜ根を十分に張れる土が重要なのかというと、根は土から栄養や水分を吸収するだけでなく、茎や葉を支える役目もあります。土中でしっかり根を張り安定するほどの硬さをもつ土というのが理想的です。
また、小石や雑草の種、害虫の卵などの異物が混じっていないことも重要なポイントです。
■ 団粒構造であること
小さな土の粒がいくつか集まって大きな粒になったものを団粒といいます。この団粒が集まっている状態を団粒構造と呼びます。この団粒同士の間にできる隙間によって通気性、排水性を保ち、さらに1つ1つの団粒内の小さな隙間に水分を保持することができるので、保水性も併せ持ちます。
この団粒構造の土が植物が健康に育つ大切なポイントになります。
■ 保水性・排水性のある土壌
保水性のある土とはいわゆる「水もち」のよい土のこと。水やりしたらその水分を土壌に一時的に保持しておく能力もガーデニング用の土では必要となります。また排水性とは「水はけ・通気性」のことを指し、植物の多くは排水性が高い土を好みます。
保水性と排水性は全く逆の性質なので、一見すると矛盾しているようにも思ってしまいますよね。
しかし、植物を育てる上ではこの保水性と排水性のバランスがとても大切になってきます。
水はけが良すぎると根が水分や養分を吸収する前に乾燥してしまったり、保水性が高すぎる場合には常に湿った状態が苦手な植物は根腐れをおこしてしまいます。
ガーデニングでは植物にあわせた保水性と排水性の両方を兼ね備えた土作りが大切なんです。
■ 通気性がよい土壌
土中の根は実は呼吸しています。空気の通りが悪いと、酸素不足になって、根腐れの原因になってしまいます。
ですので土の中でも新鮮な空気が必要で、団粒構造の水はけのよい状態にしておくと、土粒間に残っている古い空気を押し出し、新しい空気が入ることができます。いわゆる通気性のよい土壌とは根が新鮮な空気をとりこめる土壌のことになります。
■ 保肥性のある土壌
保肥性とは文字通り「肥料を保つ能力」のことです。土作りには適度な水はけの良さも大切ですが、水はけが良すぎるのも植物の大事な栄養分である肥料まで水と一緒に流れてしまうことになりよくありません。そのため、排水性と保水性と加えて保肥性もガーデニングの土作りでは重要なポイントになります。バランスが大事なんですね。
■ 適度な土壌pHであること
肥料や水やりもしているのに、なんだか育ちが悪い、と感じたらもしかしたら土壌のpH値に原因があるかもしれません。
水と同様に土にも酸性とアルカリ性があります。植物を育てる上ではこのpH値がどちらかの性質に偏りすぎるのはよくありません。日本の土壌は基本的に弱酸性の土壌です。原産地によって弱酸性を好む植物もあれば、弱アルカリ性の土で成長する植物もありますので、ガーデニングをする上で育てたい植物がどのような土を好むかを知っておくのは大切なポイントといえます。
ちなみに一般的に多くの植物は「中性~弱酸性」の土を好むといわれています。
4. 土作りの方法
では、実際に土作りをするにはどうしたらいいのでしょうか。
それは、「団粒構造」の土壌にすること。排水性と保水性、通気性と保肥性、これらをすべて併せ持つのは団粒構造の土壌になります。土作りではこれを目指しましょう。
基本的な手順をご紹介します。
- 掘り起こして異物を取り除く
まずは植物を植えたい場所の土をだいたい50cmほどの深さまででよく掘り耕しましょう。その際に石ころやその他異物などはきれいに取り除いておきます。こうすることで、植物がより根を張りやすくなります。 - 土のpH値を調整
耕したあと、酸度の調整が必要な場合は、草木炭や苦土石灰を薄く均一になるように播いたあと、土とよく混ぜ合わせて1週間ほどおいておきましょう。 - 腐葉土や堆肥を混ぜておく
その後、腐葉土や堆肥を掘り起こした土の1/2~1/3ほどの量を混ぜ合わせます。そして再度1週間ぐらい寝かせておきます。これで、土作りは完了です。
この、腐葉土と堆肥を混ぜておくことが大切です。
腐葉土は木の葉や枝が発酵して土になったもの。堆肥は葉っぱやおがくずに動物の糞なども混ぜて発酵させたものです。どちらも有機質肥料になります。これらを混ぜることによって弾力性のあるふかふかの土に仕上がります。
ガーデニングでよい土というのは、保水性、排水性に加え、通気性よく、保肥性を併せ持った状態の土が、理想的です。腐葉土と堆肥を混ぜておくことで土壌が団粒構造になり、植物にとって理想的な状態を保つことができます。
まとめ
いかがでしょうか。
土作りの基本をご紹介させていただきました。ポイントは「団粒構造」の土壌を目指すこと。
これから春を迎えるガーデニングシーズンの準備として、これらの土作りのポイントを参考にお役立てください。