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例年の3倍発生に注意!「シロイチモジヨトウ」対策
こんにちは!
GOOD2 GARDENです。
この度、兵庫県病害虫防除所より、野菜や花の葉を食い荒らす蛾「シロイチモジヨトウ」の幼虫が多発してるとして、発生予察注意報が兵庫県全域に出されました。
野菜の生産者を中心に防除を呼び掛けています。
今回は、「シロイチモジヨトウ」の幼虫の対策についてご紹介していきます。
シロイチモジヨトウ
シロイチモジヨトウとは、ヨトウムシ類の仲間で、主にネギを加害する害虫として有名ですが、その他にも加害作物は、キャベツ、ハクサイ等の野菜類から、カーネーション、キク等の花き類、ダイズ、アズキ等の豆類と広範囲におよびます。
夜行性で、昼間は葉裏や雑草のある所に隠れています。雌成虫が卵塊と呼ぶ、葉裏に数十個~数百個の卵を塊で産み付けます。卵は鱗毛で覆われています。
1日の雌が産む卵の数はおおむね1000個くらいと言われていて、作物の低い部位に産卵する習性があります。
早期発見が大切です
孵化直後の若齢幼虫は集団で作物や花の葉を加害します。防除対策のひとつとして、卵塊の状態や分散する前の若齢幼虫の早期発見に努めることが大切です。見つけたら速やかに捕殺しましょう。
シロイチモジヨトウは例年9月以降に発生の最盛期を迎えます。特に野菜類ですと今から秋作の育苗や植え付け、花き類も秋のガーデニングシーズン到来で秋苗が出回ります。被害が拡大すると予想されますので、これから野菜苗や花苗の植え付けを行う方は、今年は特に細心の注意が必要です。
農薬防除が難しい
シロイチモジヨトウは卵塊から孵化して、卵塊のあった葉を集団で食害したのち、成長に伴って分散していきます。
成長を放置しておくと食害量も範囲も増える為、被害が拡大してしまいます。
また、やっかいなのがシロイチモジヨトウは、狭い隙間に潜り込んだり、葉の内部から加害する習性があるために、薬剤散布しても届きにくく、薬剤抵抗性も発達しているといわれ、防除が難しい害虫のひとつです。
では、どうすればいいのでしょうか。
産卵防除
まず、成虫の産卵を防止する対策がおすすめです。目合4ミリ以下の防虫ネットで作物を守ることができます。その他に黄色防蛾灯や性フェロモン剤(交信かく乱剤)を利用することにより一定の効果が見られます。
すでに産卵してしまっている場合は、
早期発見・早期駆除
薬剤抵抗性も発達しているシロイチモジヨトウには、特に中・老齢幼虫には殺虫剤の効果が低くなってしまいます。薬剤防除をする場合は若齢幼虫期に行うことが重要です。
以下は、一般的にシロイチモジヨトウに効果があるといわれている薬剤です。
ブロフレアSC、アニキ乳剤、ディアナSC、ベネビアOD、ヨーバルフロアブル、グレーシア乳剤、ファイントリムDF、カスケード乳剤、コテツフロアブル、デルフィン顆粒水和剤、ノーモルト乳剤、アクセルフロアブル、フェニックス顆粒水和剤、プレオフロアブル
他
使用にあたっては散布前と散布後(1~3日後)の状況を観察するなど、防除効果の確認に努めましょう。
この他防除薬剤については、兵庫県農薬情報システムを参考に選定するようにして、農薬使用基準を遵守しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
今年は特にシロイチモジヨトウの発生が例年の約3倍ほど。しかもこれからが発生のピークを迎えます。秋苗の植え付けシーズンにも重なりますので、早めの対策を講じましょう。
大阪管区気象台が8月11日に発表した近畿地方の1か月予報によると、気温は平年より高く推移するそうです。シロイチモジヨトウの活動に好適な条件が続くと予想されています。
こちらを参考にシロイチモジヨトウ防除にお役立てください!